ADCメインのLoL独り言

League of Legends のしがないADCメインが細々と書きます

ロール別!まずこれを使えば間違いないオススメチャンピオン その2

 後編になります。mid,adc,supportについてみていきます!

 

mid:ベイガー

 midは正直迷いましたがあえてベイガーを紹介します。他に候補としてはアニーやモルガナがいましたが、たぶん大体この二人はオススメされつくしていると思いますのでやめました笑 値段は585RP/1350IPと比較的良心的。購入しやすいチャンピオンといえます。

 

 さて、例によってmidに求められる条件から考えていきます。端的に言ってmidはゲームに勝つために最も重要なロールといえます。言い換えれば最もキャリーし、自分自身で勝利を掴むことができ得るロールと言えるでしょう。

 それはなぜかといえば、midレーンは他のレーンに比べて短く、ミニオンが到達する速度も早いのでマップ上で基本的には誰よりもレベルや所持Goldが先行します。これは対面も当然同じ条件です。ですが、そこで相手にCSで勝ったりタワーを取ったり、或いはキルを取ったとすればどうでしょう。その瞬間、このサモナーズリフトで一番強いチャンピオンは自分になります。

 

 ベイガーは強力かつ特殊な範囲を持つスタンを持ち、さらにパッシブで無限にAPが上昇するため後半になればすべてのキーを押すだけで敵のHPは一瞬で消えることになります。序盤でもこのコンボは十分な圧力を持っていますし、逃げスキルの薄いメイジには相当な脅威と言えます。一度有利を取ればスノーボールはそう難しくありません。

 

 唯一の難点は機動力が低いことにあります。ガンク耐性は低くロームもそこまで得意ではありません。midはレーンが短いためGankが刺さりやすいので、機動力の低さと合わせて理解しておくことが重要です。逆に言えばこれを理解していればどんなチャンピオンであってもmidで不用意な動きからフィードすることは劇的に減ります。

 さらにレーンで負けることは誰にでもあります。スタンが上手く避けられてしまえばQもWも当てることは難しいので機動力の高いチャンピオン相手の場合は負けてしまうこともあるでしょう。しかし広範囲のスタンと無限にAPが伸びるパッシブによってこけても立て直しが難しくない部類に入ります。積極的にCSとAP上昇を両立させ、隙があれば対面のワンショットキルを狙うのが基本的な戦法になるでしょう。

 

(余談ですが、世界最高のmidレーナーと言われるFakerはライズとフェイトを練習することがmidを上手くなる最善手だと語ったことがあります。前者は正しいキー操作を、後者はマップを見る力を養うからです。これは間違いのないことですが、この記事の趣旨とは少しはずれるので言及はしませんでした。)

 

ADC:アッシュ

 ADCで紹介するのはアッシュです。このゲームのチュートリアルや最初期の選択可能チャンピオンの一人として看板的な立ち位置でもあるのでほとんどのプレイヤーが一度は触ったことがあるのではないでしょうか。値段は260RP/450IPと非常にお得です。

 

 ADCに必要な要素とは、すなわち自身は最もダメージを受けず同時にできる限り多くの敵により多くダメージを与えることにあります。

 かつてのアッシュはQが現在のパッシブにあたるスロー付与のトグルスキルでした。しかし小規模なリメイクで現在の形になりました。ただしQが完全に攻撃スキルになりその他の要素はほぼ据え置きだったため実質大幅なバフといえました。

 

 話を戻して条件に関してですが、ADCが死なずにかつダメージを出すためにはカイティング(引き撃ち)がどうしても必須になります。棒立ちして撃っているだけでは勝てないということです(6.24現在のメタで流行っているトゥイッチやケイトリン、フォーチュンは比較的引き撃ちの重要性が低いので私は嫌いです…)。その点アッシュはAAに必ずスローがつくので他のチャンピオンに比べてカイティングのしやすさが段違いです。Wにはゾーニング力があり、ハリケーンを持った状態でのQは十分なバーストダメージを持ちます。加えて数少ないスキルによる視界掌握を持ち、かつてのように自由にワードを買えない環境では貴重といえます。

 極め付けはultのスタンであり、接近してきた相手の前衛を止めることもできれば、射程無限のため圏外で起きた戦闘に参加するために使うこともできます。そしてソロキューでは最も重要な要素ですが、基本的に自分からイニシエートできないADCにも関わらず自分で戦端を開くことができるのでレートは非常に上げやすいと思います(もちろん、自分が正しいタイミングを理解していればですが)。

 アッシュでまず引き撃ちができなければ他のチャンピオンでは到底できないでしょう。基本ASもそれほど高くないのでCSを取る練習にも良いです。そして正しいタイミングで正しい位置にいなければultを上手く使えないこともありますし、逆に自分が上手くいっていなくても味方に合わせてultを使うだけで貢献できることもあり非常に柔軟です。

 

Support:ブラウム

 最後に紹介するのはSupport、ブラウムです。ブラウムは2年くらい前に実装された比較的新しいチャンピオンなので価格は975RP/6300IPと値は張りますが使えて損はないでしょう。

 

 Supportに必要なことはなにかと問われれば、イニシエート力かピール力どちらかになると思います。ブラウムはそのどちらをもバランスよく行える攻防一体の優れたチャンピオンです。

 ブラウムはパッシブにより自身がAAした対象もしくはQが命中した対象にスタックを付与し味方を含め4度AAかブラウムのQがヒットすると相手をスタンさせます。Qにはスローがつきかつスタックもたまるので追いかけるときにも味方を追う敵を止めるときにも使える非常に便利なスキルです。さらにWは味方を指定するブリンクで味方と自分のARMRを上げることのできる防御スキル。Eは非常に強力なダメージ減衰スキルであり、ヤスオの風殺の壁の上位互換と言っても過言ではない。ultの範囲ノックバック+スローも非常に強力ですべてのスキルが攻撃にも防御にも使えるバランスが取れたチャンピオンといえます。

 

 そのため、逆にハードなイニシエートがほしいとき、ピールに心血を注ぎたいときなどに一歩足りないことが起こりえます。特にイニシエートに関しては今一つパンチに欠けていると言えます。バランスが取れているからこそ局地的な状況への対応力は低いですが、Supportは臨機応変が重要なので基礎を学ぶにはうってつけです。

 またSupportに重要なワーディングにおいてもEのダメージ減衰やQのスロー、Wの味方指定ブリンクで比較的離脱が容易なので深い位置のワーディングもローリスクで行えるのも魅力の一つですね。

 

 レオナと迷いましたが、結局バランスのとれたブラウムを紹介することにしました。レオナはハードイニシエーターでピール力のほうはイマイチなのでブラウムを使ってみてもっとイニシエートがしたい!と感じたらレオナを使うといいかもしれません。使用感は比較的似ていると思います。

 

 

 

 以上になります。最初の記事にも書きましたが、あくまで自分の独断と偏見で選んでいますし向き不向きがありますのでこれでFeedしたからといって責めないでください笑

ロール別!まずこれを使えば間違いないオススメチャンピオン その1

 星屑です。LoLというゲームは奥深いです。そもそも5人それぞれが違う役割を果たします。5つあるロールの中から最初にプレイした、或いは一番上手く行ったロールを集中的にやったりするのは誰もが最初に通る道です。ではゲームにも慣れてきたし、そろそと別のロール・チャンピオンをやってみたいな、と思ったときに何をやればいいか迷いますよね?

 

 そこで(私の独断と偏見ではありますが)各ロールごとにこいつを使えばそのロールの役割がわかりやすく、かつ対面に負けづらい、かつ簡単なチャンピオンを紹介します。もちろん合う合わないがあるので実際にやってみて難しい、Feedしたという意見があっても謝ることしかできませんが…笑 それではtopからいきましょう。

 

top:レネクトン

 topで紹介するのはレネクトンです。お値段は880RP/4800IPと少しお高めですが、買って損はしないと思います。

 topレーナーに必要な要素とはなにか?と問われれば、まず第一にサステイン(レーンを維持する能力、平たくいえばヘルスリジェネレーションや自らのヘルスを回復するスキルのこと)を持っていることです。レネクトンはQを使うと武器を周囲に振り回しますが、このとき当たったユニットの数に応じて体力を回復します。次に必要な要素はブリンクの有無です。こちらはtopタンクは持っていないことも多いですが、なんとレネクトンは条件つきであるものの二度ブリンクを使うことができます。最後に、CCです。単体対象指定とはいえスタンを持つのはサステインや高性能のブリンクを持つスキルセットであることを考えれば破格といえます。 極め付けはultによりHPを増加させることでさらにサステインは上がります。

 

 このようにレネクトンは非常にバランスのよいスキルセットを持っています。フューリーという独特なシステムを持ちますが、これ自体は管理にそれほど気を使わなくてもいいです。はじめのうちはゲージが赤くなったら次に使うスキルが強くなるという程度のことを覚えておけば問題ないでしょう。さらにマナがないためスキルを無駄打ちしてしまってもそれほどロスにはならないことも見逃せません。そしてタンクとしてもファイターとしても適正があるので負けていれば防具で固めることもできますし、勝っていればハイドラや黒斧にラッシュし一気に勝負を決めることもできます。ビルドの幅は非常に広いです。

 

さて、topの王様と呼ばれることもあるレネクトンが真に強いのはレーン戦で、特にレベル3でスキルが揃ったときの爆発力は圧倒的です。レーンにおいて彼にはこれといったカウンターが存在しないほどの1v1能力を持ちます。基本的にはEで接近してスタンを入れてQで回ってEで戻るというヒットアンドアウェイ戦法でほとんどどんな相手に対しても無傷でオールインすることができます。topで1v1に勝つことができればテレポートを使った他レーンへの圧力もどんどん大きくすることができます。集団戦はやや弱いレネクトンですが、相手の装備が揃う前に試合を破壊してしまえば関係ありませんから、そういったプレイングが重要になります。

 

 

jg:ワーウィック

 次に紹介するのはジャングラー、ワーウィックです。260RP/450IPと最も安い価格帯ですが、それだけに簡単といえます。

 例によってjgに必要な要素とは?というところからですが、大きく分けて周回速度・Gank能力になります。ワーウィックの周回速度はジャングラーを比較しても相当早く、またパッシブやQのサステインが非常に高いため序盤からほぼノーダメージで回ることができる数少ないチャンピオンです(グレイヴスやフィドルも可能)。

 その代わりCCはultを覚えるまで一切持てないためレベル6までに早い段階で敵のジャングラーが活躍してしまうと押し込まれてしまうケースが多いです。その点はしっかり留意し、ultがなくてもGankできる状況があるか、それともファームに徹した方がいいのかを見極める必要があります。これはジャングラーとしての基礎といってもいいですね。

 しかしワーウィックのultのCCはLoLのステータスの中では数少ないサプレッションを与えるスキルです。QSSのみでしか解除できない非常に強力な足止めスキルですが、自身がスタンなどのCCを受けると解除されてしまうという弱点もあります。しかしシルバー帯などでは止められることはあまりないでしょう。初心者帯ではなおさらです。このスキル一つで非常に強力なGankプレッシャーを持っています。

 

 集団戦ではultを一人にしか使えない上にCCに弱い関係上プレッシャーは低いです。しかし的確に相手のキャリーを止めることができれば戦況を大きく変えることも可能です。間違ってもタンクには使わないようにしましょう…ビルド幅もそこそこ広く攻撃的にグインソーレイジブレードやウィッツエンドを積むビルドからスマイトにブラッドレイザーをつけて後はすべてタンクといった運用もできるので柔軟性は高いといえます。序盤どれだけ早く森を周回し、的確に一つのCCでGankを決めることができるかがカギといえ、ごまかしが効かないためジャングラーの基礎を学ぶのにうってつけと言えます。

 

 

今回は2ロールの紹介になります。思ったより長くなったのでmidとbotは次回以降上げます。

TeamFightで本当にやるべきことはなにか ADC編

 ブログではお久しぶりです。星屑です。今回はシーズン7のランクも始まったということでLoLの試合中における花形ともいえる集団戦に関する記事を書きます。

 

集団戦で重要な情報とはなにか?

 

 集団戦(この記事の中で集団戦とは基本的に5v5で始まる戦闘のことを差す。テレポートによる後入りやグローバルultによる援護などは考慮しません。)では10体のチャンピオンがスキルやAA、アクティブアイテムやサモナースペルといった様々なものを撃ち合います。さらにスキルの撃たれる方向やアクティブアイテム使用のタイミングなどのより細かい情報を加えていけばまさに無限のように情報が入り乱れる空間が僅か十数秒の中に濃縮されることになるのです。その中で絶対的に重要な情報とはなんでしょうか。

 

 この記事ではADCの視点で書きますので必ずしも他のロールで正解とは限らないことを前提としつつ

 

1.敵の誰を自分は倒すことができないのか

2.敵の誰がダメージを出しているのか

3.自分をキャッチできる敵のスキルはいくつあるのか

 

これらが私が考えるADCが集団戦を戦う上で最も重要な情報です。他には敵のサモナースペルのCD状況や味方のpeelスキル有無や意識、味方前衛と敵ダメージ源の戦力バランスなども考慮に入れる必要がありますが、少なくとも上に挙げた三つができればGoldになることは容易いでしょう。前提に他ロールではこの限りではない、と書きましたが基本的なことでありすべてに通じるのもまた事実です。順番に解説していきます。

 

1.敵の誰を自分は倒すことができないのか

 LoLには100体を優に超えるチャンピオンがいて、しかもアイテムビルドによって様々な戦い方があります。そんな中で相手の育ち具合、アイテムビルドの進み具合、そしてスキルセットを考慮したうえで敵の誰は自分が倒す前に自分を殺せるのかを知る必要があります。例を交えて考えてみましょう。

 

例:自分はエズリアル。レーン戦では何度かキルを取り対面には微有利。敵のtankはサイオンでこちらの対面のtopレーナーはかなり腐っている。相手のmidはジグスだがこちらは腐っている。レーン戦が終わる25分くらいで5v5の集団戦が起きたとき、自分は何をすべきか。

 

 この場合、敵のサイオンは育っているのでアイテムビルドは進んでいるでしょう。対するエズリアル(自分)は後半型のキャリーで25分くらいの時間帯ではようやくコアアイテムが完成したくらいの時間です。サイオンが堅実に防具を積んでいても、タイタンハイドラのような攻防一体のアイテムを持っていても、おそらく倒す前にやられてしまうでしょう。その場合、自分はサイオンから逃げる必要があります。

 ここで重要なのは逃げるだけではその時点で最もゲーム内で影響力のあるサイオンを野放しにするわけですから、当然チームは潰走し逃げきれれば御の字、悪ければキルもオブジェクトも取られるでしょう。そこで機動力を生かしつつサイオンから逃げ、敵のキャリーの一人でありながらまだ腐ったままのジグスを落とすようなプレイが必要です。もしそのまま逃げてキルやオブジェクトが取られればジグスも息を吹き返し始めます。このようにしてカムバックを許した際に味方のmidが言う発言が「自分はレーンで勝っていたのに」云々というものになります。よく見ますよね笑

 基本的に敵のtankは狙いませんが、終盤自身の装備も揃ってある程度時間があれば落とし切れるとき、敵のダメージ源が追いついていないときにはtankを集中砲火することも重要です。

 

 もちろん、一概には言えません。この例の場合ジャングラーについては触れていませんし、味方のピール意識次第では先にサイオンを落とした方がいいこともあります。今回はそういったさらに細かい事情の前に前提を考えていこうと思います。

 

2.敵の誰がダメージを出しているのか

 これも先ほどの例を用いて解説しましょう。ジグスと対面のADCはそれほどダメージを出せない状況で、サイオンだけが自分に致死量のダメージを与えられるならば、先にサイオンを落とす必要があります。もちろん、1で解説したように倒し切れないのならば逃げます。

 しかし、ここでサイオンはそれほど育っていないがジグスはハードキャリーをしているような状況だったとしましょう。この場合サイオンに構っている間にジグスに後ろから爆弾を投げつけられるだけでこちらは絶対に勝てなくなります。

 ここで重要なのはジグスを倒すか倒さないか、ではなく自分が生きるか死ぬかです。ソロキューでは自分が死んだらゲームは終わったものと思う必要があります。なのでまずはまずまずのtankであるサイオンとダメージが豊富なジグスを相手に生き残れるのかということで、生き残れるならば次に判断するのはジグスを倒せるかどうかです。

 フローチャートのようですが、生き残れるか?→Yes→キャリーを倒せるか?→Yes→その後tankを倒せるか?というように最も重要な前提から細かい判断をしていくための基礎的な情報となるのがこの相手のダメージ源を見極める、ということです。

 

3.自分をキャッチできる敵のスキルはいくつあるのか

 キャッチとは、集団戦の開始(イニシエート)に対して自分が相手に最初に捕まってしまうこと、或いは集団戦の中でスタンやスネアなどの行動妨害で自分の立ち位置をリセットできなくなってしまうことです。

 ADCは最もダメージを出すことができるロールではありますが、反面最も撃たれ弱いロールでもあります。終盤の5v5の集団戦で敵のスレッシュにフックされようものなら試合はその時点で決してしまいます。良くも悪くも勝敗に絡めるロールともいえるでしょうが笑

 

 ここで重要なのは相手のキャッチスキル(スタン、スネア、サプレッション、ノックアップetc...サイレンスやスローなども場合によってはキャッチスキルといえます。)がいくつありCDはどのくらいなのか、ということです。

 

 例えば、相手の目立つキャッチできるスキルがtopのマオカイのW(スネア)のみだとしましょう。それならば、それにさえ気を付けていれば自分が真っ先に死ぬことはありません。相手が別の味方に使ったのを見てから入るか、使える距離に行かないことで対処可能です。

 しかし相手のjgがワーウィックでmidがマルザハール、topがノーチラスであったならばどうでしょう。このような場合はもうADCとしてはお手上げとしか言いようがありません。強力なサプレッションという数少ないスキルを持つchampionが2人、さらにスネア、フック、スロー、スタン、打ち上げとCCの塊のようなノーチラス。避けるべきスキルは7,8個は優にあります。

 

 もちろんシルバーサッシュを買うとか、ミカエルをサポートに使ってもらうといった対処はできますが、厳しいことには変わりありません。ここで重要なのがやはり相手のスキルCDを知っておくことです。相手のCCがどの程度で上がるのかを知っていれば自分以外に使った後にその間はそのスキルのことを考える必要がないからです。

 

 総括すれば、自分を殺しうる決定的なCCを避け、相手のダメージ源に継続的なダメージを与えることがADCの役割といえるでしょう。当たり前のことだと思うかもしれませんが、この当たり前ができていない人はたくさんいます。上に書いたような基礎をわかっていない人もいるでしょう。そういった方々の一助になれば幸いです。

 

 希望があれば、他ロールについても書いてみたいと思います。

パッチ6.22 シーズン7プレ 雑感

 そろそろ次のパッチも当たろうかというところですが、プレシーズンの変更について気になった点・抑えておきたい点をピックアップしてみます。

 

・ステルスの変更

 これまでステルスという効果をもたらすスキルは全てビジョンワードによって看破することができました(かつては赤トリンケットでもできました…)。しかし今回のステルスの仕様変更により、ステルスは「カモフラージュ」と「インビジブル」という二つの種類に分かれることになりました。

 

 これまで短時間のステルスはpinkを置くことで全くの無力となっていましたが、今回の変更で「インビジブル」に振り分けられた短時間のステルスはタワーの可視効果以外では見破ることができなくなりました(これまでの赤トリンケットによる位置の可視化は有効)。大きな影響を受けるのはアカリのWやカ=ジックスのult、ヴェインのultなどです。元々彼らは1v1に非常に強いスキルセットを持っていますが、相手がpinkを持っていればその影響力は小さくなっていました。しかしこのアップデートで1v1で彼らを倒すのは非常に難しくなったと言えます。

 

 

・「物理防御貫通」システムの変更

 

 物理防御貫通(ARpen)をもたらすアイテムやルーン、マスタリーは全て「脅威」という新しいステータスに置き換わり、新たな計算式が適用されることになりました。具体的には物理防御貫通には固定値と敵のレベルによる流動値が適用されるため、これによりスノーボール性能は下がり、劣勢時にダメージを出しづらい傾向が軽減されたと言えます。これに伴い関連アイテムは大きく変更されたものもあります。

 

 アサシンアップデートとはいえ、アサシンを強化しすぎた場合に容易に想像できるアサシンオブレジェンズを防ぐための対策なのでしょうが、現状ではそれ以上に壊れたシステム(後述)のせいでアップデートされたアサシンたちは虫の息になっています。

 

 

・スマイトのチャージ時間延長、モンスターキャンプのリポップ時間増加、ラプター・クルーグの増加

 

 これらはすべてジャングルに関わる変更です。スマイトをキャンプに使用することで得られるバフが削除された代わりにすべてのキャンプに対して使用時にヘルス回復をもたらすようになりましたが、チャージ時間の延長によりこれまでより周回が難しくなりました。ラプターやクルーグの数が増えた影響もありサステインの高いジャングラーが好まれる傾向があります。サステインが低くともハニーフルーツやリフトスカットルを上手く利用してヘルスを維持することが重要となっています。

 

 モンスターのリポップ時間が延長されたことも大きな変更と言えます。キャンプ一つあたりの価値が以前より上昇することになります。そのためカウンタージャングルを中核とする1v1に強いチャンピオンは非常に強いと言えます。

 

 

・エルダードラゴンのバフ時間増加

 

 これまでに比べて30秒伸びました。これまではバロンとエルダーの二択になった場合ほとんどの場合においてバロンが有利でしたが、エルダーを選択する価値は非常に高まったと言えます。

 

 

・マスタリーの変更

 

 今回最も争点となっているといっていいでしょう。まずは闘争本能ツリーから触れていきます。これまで「諸刃の剣」はつまみ食いと位置を争うとはいえ、上位プレイヤーであれば当たり前に採用していたマスタリーでした。今回ティアー4に移動し「圧政者の追撃」が削除されたため、ティアー4はほぼ諸刃の剣で決まるようになり、ティアー2でつまみ食いを取ることも可能になりました。

 また「戦いの律動」はAAではなくADを直接上げるようになりました。これによりAA主体のチャンピオンでなくても戦闘時間が長引く傾向のあるチャンピオンに選択肢が生まれたと言えます。これまでそういったチャンピオンは「雷帝の号令」以外の選択肢がなかったので、フレキシブルなキーストーンになったといえるでしょう。

 

 次に「歴戦の勇者」の削除と「巨人の勇気」の追加です。今パッチで最も猛威を振るっているといえるのがこのキーストーンですね。シーズン6のジャングルはほぼシーズンを通して歴戦の勇者を持つキャンプクリアの早いジャングラーがレベル先行と高いヘルスでゲームを支配するメタでした。ほとんど一択のマスタリーとなってしまったため削除に至りました。

 代わりに追加された「巨人の勇気」はCCを敵にヒットさせると自身の最大体力に応じたシールドを展開するものですが、周囲の敵チャンピオン数にも依存するため、最大で42%のシールドを4秒獲得することになります。これは相当なもので、序盤のタワーダイブはもちろん終盤においても強引なイニシエートを成功させることができるキャリーにとっては悪夢のようなキーストーンと言えます。

 すでにナーフが決まっていますが、個人的には効果時間を3秒に、シールドの反映率は最大体力の5%(最大で30%)くらいにすればちょうどいいのではないかと思います。

 

 

 こんなところですね。間もなく次のパッチが当たると思うので、その後また別記事を書こうと思います。

2016 League of Legends World Championship Final SKTelecom T1 vs Samsung Galaxy

 ついに残すところあと一試合で今年の世界王者が決定します。日本時間では10月30日(日)の午前8時からオープニングセレモニーが行われ、その後試合開始となります。

 

 二年連続で韓国勢同士の決勝であり、またすでに四年連続の韓国勢の優勝が確定している今大会。グループステージではNAとEUの1位がまさかの敗退、台湾勢も2チーム共にKnockout Stageに残った昨年からは凋落しました。最高のメンバーを揃えて臨んだ中国第一第二シードも最強地域韓国の前に敗れました。一方でワイルドカード地域のチームが史上初のKnockout Stage進出を果たすなど波乱続きの大会でした。

 

 決勝のカードは昨年の世界王者にして三度目の栄冠を狙うSKT T1とSeason4を制した後チームが完全に白紙になり名前以外は残っていないため事実上初の王冠を狙うSSGの対決になります。両チームをデータの観点から詳しく見ていきたいと思います。データは両チームのメンバーが固まった時期とメタの観点から今年のみを参照します。

 

◎両チームのマッチアップ

LCK 2016 Spring

・SKT T1(12-6 3位) Playoffs 1st(against ROX 3-1)

・SSG(10-8 6位)

対戦成績 2-0(SKT)

 

LCK 2016 Summer

・SKT T1(13-5 2位)Playoffs 3rd(against KT Roster 2-3)

・SSG(12-6 4位)Playoffs 4th(against KT Roster 0-3)

対戦成績 2-0(SKT)

 

 まず対戦成績のデータですが、今年はLCKの通常期間に4度対戦したのみでPlayoffsなどでは一度も対戦していません。その結果は全てSKTが勝利しています。

 韓国のリーグLCKの通常期間の対戦はBo3(ベストオブスリー、2ゲーム先取したほうが勝ち)ですが、この4度の対戦でSSGは1度だけSKTからセットを取っています。Spring SplitのWeek12第7試合でSSGは1セットをSKTに対して取りましたが、それ以外は2-0のため、今年の両チームの対戦成績はセットで表すと8-1(SKT)ということになります。

 

youtu.be

 こちらが今年SSGが唯一SKTに勝利した試合の様子です。Game1を取るも二連取されて結局負けてしまいました。半年ほど前のメタなので今とは様子が全く違うためP/Bの面では参考になりませんが、この試合ではSSG AmbitionがSKT Fakerに対して序盤から圧力をかけ、結果キルを獲得してからドラゴンやリフトヘラルドを獲得し、タワーにつなげていくという分かりやすい展開になっています。韓国LoLらしい詰将棋のように序盤に得たわずかな有利を徐々に広げていくスタイルを安定して行うことができています。SKTはFakerがスーパーアグレッシブであることやそもそもCarryされると困るので狙い撃ちされることが多いのですが、そのようになっても耐えて僅かなチャンスで逆転することができるほど優れたチームです。しかしこの試合ではそれをさせずにSSGが勝ち切っています。

 JunglerがBlankでありFakerへのフォローが薄かったことやSKT側はNidaleeやJayceといった集団戦に不向きな構成であったことなどを差し引いてもSSGはよいゲームメイクができています。この試合でのキーマンはやはりAmbition、そしてCuVeeでした。この二人が序盤から有利を得て、それを生かすように動ければ勝つこともできるでしょう。

 多くの人々(プロ選手やコーチ、アナリストなど含め)SKT有利と踏んでいます。実際私もそう思いますが、このような勝ち方を今年に入って見せている以上は、可能性はあると考えます。

 

◎Teams

・SKT T1

 Season3とSeason5の世界王者にして、LoL史を語るうえで欠かせない言わずと知れた最強のチーム。Season3当時、韓国LoLシーンではまだチーム自体が少なく姉妹チームが多く存在していた(後に同じ運営母体が複数のチームを同じリーグに所有することは禁じられた)。現在のSKT T1と同一視されているのはSKT T1 2という後発チームであった。SKT T1の本チームはBangやWolfなどプロ経験のある選手が多く在籍していたが、2は当時無名だったBengiやFakerを含めほとんどキャリアのない選手のみで構成されていた。しかし夏シーズンにあのFaker vs Ryuの試合を経て国内初タイトルを獲得しそのまま世界を制した。

 Season4に入ると一転してチームは低迷し、その年の韓国シーンを席巻したSamsungの2チームに対して手も足も出なかった。オフシーズンに3人の優勝メンバーを放出し、さらに協定が変更されSKT T1が1つのチームとなることを余儀なくされた。

 Season5以降は新しいメンバーで韓国シーンを再び圧倒し始め、国内タイトル連取と二度目の世界王者に輝いた。しかし初開催となったMSIでは惜しくも準優勝に終わった。

 オフシーズンにWorldsMVPに輝いた司令塔のMaRinやスーパーサブmidとして活躍したEasyhoonらを放出し、弱体化が懸念された。事実Season6では新たにPeanutをJungleに迎えたROXに圧倒されがちな時期が続いたが、Springを勝ちMSI初優勝を果たした。今夏はKTに敗れSeason4以来のLCK決勝を逃したが、Worldsでは危なげなく勝ち進み、最大のライバルROXをも打倒した。三度目の王座まであと一歩だ。

 

Samsung Galaxy

 元々はMVP Ozoneというチーム名で韓国プロシーンの黎明期から存在するチームであり、その後Samsung OzoneSamsung Galaxyという様に名前を変えてきた。Season4で姉妹チームのWhiteとBlueが国内を圧倒し、そのまま世界を制覇した様子は韓国という地域がLoLにおいて最強地域と決定づけられた瞬間でもあった。

 Season4を優勝したのち、2つの姉妹チームに所属していた韓国のトッププレイヤーたちは中国へと移籍した。その後の最初のシーズンはスターターのうち4人がLCK初挑戦となり、入れ替え戦行きを余儀なくされる昨シーズン優勝チームの無残な姿をファンは目撃することとなった。しかし入れ替え戦で勝利してからは2015夏はチャレンジャークラスから下位のチームが参加してきたこともあり可もなく不可もないシーズンを過ごした。転機が訪れたのはオフシーズン中で、CJ EntusからスタープレイヤーであったAmbitionを、NAの強豪Team DignitasからCoreJJを獲得した。

 それからSSGは徐々に頭角を表し始め、夏の序盤には一時的にではあるがリーグ首位にも立った。その後はROXやSKTといった強豪の後塵を拝したが、Regional FinalでKTをフルセットで破り組織として二度目のWorlds出場を果たした。

 配置されたグループDは彼らからみればそれほど難しい山ではなかったし、Knockout Stageも非常に運がよく、同郷韓国や中国の強豪とBo5を一切戦うことなく決勝までやってきた。大舞台の経験も少ない彼らが王者SKTに対してどのような戦いを見せるのか注目だ。

 

◎Players

・SKT T1

Top Lee "Duke" Ho-Seong

 昨年まではかつて韓国の強豪チームであったNajin e-mfireでプレイしていたがチームが解散したためフリーに。その後topを探していたSKTに合流し今年からスターターとなる。Split Pushが得意な選手で、春はPoppyやMaokai,Fioraなどを多用し、夏以降はTrundle,Gnar,Ekkoなどを多く使っていた。1vs1に非常に強く、実際LCKのtop lanerで彼と対等に渡り合えるのはROXのSmebとKTのSsumdayくらいだろう。SSG CuVee自身もDukeからソロキルは取れないだろうとインタビューで語っていた。

 今大会でもトップメタのJayceを除けばTrundle,Ekko,Poppy,Gnarと得意championを多用している。しかしながらJayceのようにスタイルからはずれたchampionでも卒なくこなす器用さがあり、自らがCarryするタイプではないが全時間帯に隙のないプレイをする試合巧者だ。

 

Jungle Bae "Bengi" Seong-ung

 準決勝で奇跡の逆転劇を起こした張本人であるが、今年はサブに回ることが多かったため知らなかった人も多いだろう。その実Season3と5で優勝を果たし、Faker以外で唯一二冠を獲得しているプレイヤーである。SKTが創設された2013年頃からプロキャリアをスタートし、それ以来SKT以外のチームに所属したことは一度もない。プロ初年度でSeason3制覇、Season4での凋落、そしてSeason5での復活とSKTの歴史は常に彼と共にあったと言っていい。

 プレイスタイルはズバリFakerをCarryさせること。というのは言い過ぎであるが、古き良きJunglerらしくレーンへのプレッシャーと敵Junglerへのプレッシャーを均等にかけつつ徐々にマップコントロールを広げていく堅実なものだ。今年は初めからNidaleeやGraves,Kindredといった自らがCarryするタイプのJunglerが流行したためメタに適応できずサブに回ることが多かった。得意championはRek'Sai,Elise,Gragasなどユーティリティに優れ序盤からGank能力の高いJungleを多用する。その一方準決勝で見せたキャリア初のNidaleeなどポテンシャルも底知れない。SSGのJungler Ambitionも同じくらい古参のプレイヤーでチームの中心であるため、このJungler対決を制したほうが今年の世界を獲ると言っても過言ではない。

 

Jungle Kang "Blank" Sun-gu

 今年SKTのスターターを務めていた若き新星。Nidaleeを始めとしたCarry Jungleメタで頭角を表し不調だったBengiの代わりにスターターとなった。今年3月に行われたIEM Worldsで彼をスターターとして優勝してからはその座が定着し、MSIでも優勝を飾った。しかし当初から浮き沈みの激しさは問題点として指摘されており、調子のいいときは敵なしだが悪いときは敗北に自ら進んでいるかのようなプレイを見せることもしばしばある。特にJungleのメタが再びユーティリティ重視へと移りだした夏以降は顕著で、Bengiが緊急的に代役を務めることも多くなった。Worldsでも初戦やFWの二戦目など、そして準決勝ももちろんのことここぞという場面でははずされることも多くなってしまった。しかしJunglerが主導で試合を動かしていくメタはまだ続いているため、一概にBengiが良いとは言えない面もある。

 チームの方針もあり基本的にはメタに沿ったchampionを選ぶが、やはり得意なのはGravesやNidaleeといったSoloQ志向の強いchampionだ。NidaleeはBAN筆頭であり、Gravesなどはメタ外なため見ることはできないだろう。Bengiが調子を落とすようなことでもなければ決勝戦でも出番のない可能性は高いと思われる。

 

Mid Lee "Faker" Sang-hyeok

 言わずと知れたLoL界の魔王、Faker。今年は識者が選ぶ世界のTOP20プレイヤーで2位になり(1位はROX Smeb)、ROX戦後のインタビューではやはり自分が1番だったなどと冗談交じりに発言していた。

 Bengiと同じく彼もSKTから離れたことは一度もない。LoLを初めて半年で韓国1位になり、プロ入り。そのさらに半年後に世界王者になったと言えばその人気の理由もわかるというものだ。大舞台での神がかり的なプレイの数々はいつも全世界のファンを魅了してきた。

 今年は相棒であったBengiの代わりにBlankがJunglerとなり、思うようなプレイが出せないシーンも多く見られた。また、メタもmidがサポーティブな役割を求められることが増えてきたため彼本来のアグレッシブなCarryスタイルは身を潜めていた。今大会ではViktorやOrianna,Syndraなどユーティリティとパワーを持ち合わせたchampionを使用する機会も増え、Fakerらしい動きも多く見られる。反面最も得意とするZedやLeBlancといったアサシンはメタからはずれて久しいため中々見ることはできなくなってしまった。

 専用機と称されたRyzeもリメイク以後はプレイしていない。他の選手はそこそこ使用しているようだが、決勝戦で見ることはできるだろうか。

 

ADC Bae "Bang" Jun-sik

 韓国はADCがあまり強くない地域などと揶揄される中で、世界最高峰のADCの一人に数えられる選手。そのように揶揄される理由としては、韓国のADCが非常に堅実なためアグレッシブで華のあるプレイがあまり見られないことが原因の一つとされている。その例に漏れずBangもレーン戦からレイトゲームまで常に安全圏から確実にダメージを出し続けることを得意としている。

 死なないことが求められるADCにおいてその力を如何なく発揮しており、昨年のWorlds GroupStageではKDA71(桁間違えてません笑)を記録するなど非常に優れたプレイヤーである。Ezreal,Sivir,Asheといったユーティリティに優れたchampionを好み、実際今大会ではEzrealを最も多くプレイしている。LucianなどのアグレッシブなADCがメタにいないことは彼にとっては追い風と言えるだろう。

 Kalistaの名手としても知られていたが、彼女自体が今どん底にいるためもう見ることはないだろう。スキンまで作ったのに…RIP.

 

Support Lee "Wolf" Jae-wan

 SKTの癒しことWolf。彼の丸々とした体形と柔和な笑みには多くのファンが癒されている。昨年のSKTは無敵のスター軍団だったが、唯一彼が油断したり波に乗れないときに危うくなることがありチームの弱点と言われることもあった。今年に入ってからはBlankのほうがより好不調の波が激しいためあまりやり玉に挙げられることはなくなったが、やはり危なっかしい場面も少なくない。実際準決勝ROX戦でROXは彼を集中的にフォーカスすることで有利を作りGame2とGame3を制した。

 得意championはAlistarで、彼の昨年の優勝スキンもAlistarだ。今年のLCKでも98試合中31試合でAlistarを使用している。今年に入って度重なるnerfを受けているがそれでも安定的にpickと見ているようだ。今大会全体で見ればAlistarは非常に強いPick(23Game 65%win)であるが、チームの方針もあってかKarmaやZyraといったユーティリティに優れたメイジタイプのSupportを多くプレイしている。

 また、最近のプロシーンでNamiを最初に使いだしたプレイヤーでもあり、今年もし優勝すれば彼のスキンはNamiになるのではないかと囁かれている。

 

Samsung Galaxy

Top Lee "CuVee" Seong-jin

 Season4を優勝したSamsung Galaxy Whiteとその姉妹チームBlueに所属していた国内のトッププレイヤーたちのほとんどが中国へと旅立ち、チームは再編を余儀なくされた。その時に新人として加入したのがこのCuVeeだ。プレイスタイルとしては韓国トップレーナーらしい1v1に強い性質を生かしたSplit Pushを得意としている。今大会でもEkkoやPoppyなどといった得意なchampionは健在だ。しかしKennenやRumbleといったチームに求められるpickにも柔軟な対応を見せており、ポテンシャルの高さを感じるデータとなっている。

 プロになりたての頃はチーム自体が新人の寄せ集めとなってしまったことで負け続きで苦しい時期が続いた。最初のシーズンは勝率20%とひどく低迷しメンバー共々非常に悩んだという。しかし今の彼は世界王者という王冠が手の届くところにある。たゆまぬ日々の努力の結果といえるだろう。

 

Jungle Kang "Ambition" Chan-yong

 韓国LoLシーンの黎明期からトッププレイヤーとして活躍し続けてきた大ベテラン。キャリア始まって以来プレイし続けていたCJ Entusを離れ、今年新天地として選んだのがこのSSGだ。元々はmid lanerであったがJungleへと転向をしている。現在のSSGは彼を中心に試合が動くのが常であり、Jungleからゲームメイクをしていく現在のメタとは非常にマッチしているといえる。

 彼自身はRek'SaiやSkarnerといったピックアップ能力と序盤に優れたchampionを好むが、チームに求められる役割やトップメタのchampionなどもなんなく使いこなす超技巧派プレイヤーでもある。今大会未だ1セットしか落としていないSSGの中核としてチームを優勝まで導くことができるだろうか。

 

Mid Lee "Crown" Min-ho

 ブラジルからキャリアをスタートさせた異色の経歴を持つ選手。2015年の夏よりチームに加入しmid lanerを務める。彼はどちらかといえばユーティリティの高いmid lanerを好んで使う傾向があり、VladmirやLulu,Lissandraなどがメタの際には非常に高いマップ支配率を誇る。

 中でもViktorは特に好んで使うchampionであり、これまでSSGでプレイした3シーズンで常にpick率1位である。今大会でも最多の5試合でpickしており、未だ全勝である。他にもVarus,Ryze,Cassiopeiaなどを使用しており、champion poolはFakerと非常に似通った点が多い。

 Junglerが両チームともに世界最高峰のプレイヤーであるが、Midに関してはFakerのほうが圧倒的にキャリアも実力もあると言っていい。Crownが粘り強くFakerを抑えつけることができれば、SSGの光明となるだろう。

 

ADC Park "Ruler" Jae-hyuk

 今年の夏から加入した最も新しいメンバー。それ以前の経歴はほとんどなく、実質プロになってから半年ほどしか経っていない。状況的にはかつてのFakerやBengiに似ている節もあるといえるかもしれない。

 データが少なくあまり統計的に正しいとはいえないが、SivirやAshe,Jhinといった夏シーズンのメタであったchampionを卒なくこなしている。元々ADCはchampion数が少ないこともあるが、これまでキャリアで8体しかプレイしたことがなく、引き出しは未知数と言えるだろう。

 CuVeeやAmbitionの陰に隠れがちではあるが、彼が死なずに地道にダメージを出し続ける韓国ADCらしいスタイルを取っているからこそチームはこれまでWorldsを勝ち進んでこれたことは間違いない。似たスタイルのBangとどのように相対するかは見どころの一つだ。

 

Support Jo "CoreJJ" Yong-in

 2015年には北米の強豪Team Dignitasに所属していた選手。その後韓国へと帰国し、SSGに加わった。Dignitas、そして今年の春シーズンではADCとしてプレイしていたが、Rulerが加入したことでSupportへとポジションを移した。しかしLCKではスターターはWraithであったため夏シーズンは出場機会に恵まれることはなかった。

 しかしWraithはPlayoffs、そしてRegional QualifiersのAFS戦Game1を落としてしまい、CoreJJと交代することとなった。それ以降は彼がスターターを務め、順調にここまで勝ち上がってきた。

 Supportに転向してからのデータは非常に少ないが、今大会ではZyraやKarmaといったメタchampionはもちろん、Tahm Kenchという今大会あまり流行していないSupportを多用している特徴がある。またROX GorillAが対SKTの秘策として用いたSupport Miss Fortuneを翌日に使用するなど非常に柔軟なスタイルを持っている。

 

Support Kwon "Wraith" Ji-min

 再編されたSSGの初期メンバーのうち、唯一新人選手ではなかったプレイヤーがこのWraithだ。ahq KoreaやJAGなどを渡り歩き、一時的にではあるがPoohManDuの代役選手としてSKT T1 Kに所属した経験を持つ(SKT T1 Kにオリジナル以外のメンバーで所属経験のある選手は彼ただ一人である)。

 前述のとおり、長らくSSGを支えてきたが夏シーズンの終盤で調子を落とし、CoreJJにスターターの座を奪われてしまった。スタイルとしてはAlistarやBraumといったpeelに優れたtankを好んで使用している。そのため現在のZyraやKarmaを中心としたMageタイプのchampionが性に合わないことも一つサブに回っている理由と言えるかもしれない。今大会二度だけ出場しているが、Namiで1勝、そして得意のAlistarでチームに唯一の敗北をもたらしてしまった。

 短期間とはいえ対戦相手であるSKTは古巣のチームだ。BengiやFakerと、それにコーチのkkomaやPoohManDuとももちろん親交がある。決勝戦にはサブとして登録されているが、経過次第では彼が出場する可能性も十分にあるだろう。

 

◎両チームのポイント

・SKT T1

 準決勝では奇跡の大逆転で宿敵ROXを破ったSKT。Blankの危なっかしいプレイングにファンは相当肝を冷やしたことだろう。Bengiが加わる以上活躍を見せたとはいえ、NidaleeなどのCarry Junglerは確実にBANを視野に入れていかなければならない。SSGとしてはその有利を生かそうとしてくるだろう。その分Fakerに対してBANを割いてくることが予想されるため、チームのカギはやはりFakerの成否にかかっていると言っていい。Fakerがこの土壇場でMaster Yi midのような隠し玉を出してくるとは考えづらいが、彼の非常に広いchampion poolからいかにしてチームを勝利に導くchampionをpickできるかといった点で、P/Bは非常に重要になることだろう。

 

・SSG

 実のところ、彼らは再編以降一度もLCKの決勝にすら立ったことがない。大舞台慣れしているとはいいがたい面もあり、メンタル面がまず懸念される。ここまでAmbitionが大黒柱となってチームをけん引してきたが、逆に言えば彼なしではSKTに太刀打ちすることはまず不可能と言っていい。SKTも戦術としてAmbitionにフォーカスを合わせてくることは予想の範疇と言えるので、上手く躱して逆にFakerに仕掛けることができれば有利に進めることができるだろう。CrownがmidでどれだけFakerの圧力を抑え込めるかも試合の展開には大きく展開すると思われる。

 

 

 最後に両チーム選手の準決勝後のインタビューを簡単にまとめておきます。

◎SKT T1

・Faker

 Bengiが出て彼の調子が良ければチーム全体が活気づくし、勢いが出る。今日はその勢いに乗ることができたと思う。自分のパフォーマンスもよかったし、やはり自分がNo1プレイヤーではないか(参考:http://www.lolesports.com/en_US/featured/top2016

)?(笑)今日は決勝に臨むくらいの気持ちでプレイしたし、結果勝ててよかった。

・Bengi

 ファンの皆様に挨拶できるのは(長らくサブプレイヤーだっただめ)久しぶりのことだ。1試合目は自分のプレイが上手く行かずBlankと交代することになった。4試合目に再び出場することになったのは、これが最後の試合になるかもしれなかったからだ。だからコーチがチャンスをくれた。Nidaleeがオープンになってしまったのはコーチのミスだったが、(ROX Jungler)Peanut選手はNidaleeの扱いに長けているので渡すわけにはいかず、プレイすることになった。少しの幸運も手伝って上手く行ってよかった。

 

◎SSG

・Crown

 H2kが序盤非常に強力であることはわかっていたので耐えて中盤以降に攻勢を仕掛ける作戦だったが上手くいったと思う。決勝戦に行けるというのは夢のようなことだが、精いっぱい頑張りたい。Faker選手を倒さなければ、優勝することができないだろうから自分にとっての決勝戦の目標はこれに尽きると思う。

・CuVee

 正直決勝に進めるということに違和感を感じるほどだ。LCKの決勝に進出したこともないのに(笑)今日のプレイは上手くいったと感じているが、(SKT Top)Duke選手相手は正直難しいと感じている。運が良ければSKTに勝つことができるかもしれない、程度に考えている(笑)気負わずいつも通りのプレイをするよう心掛けるつもりでいる。

 

 

だいぶ長い記事になってしまいました。試合まで残り三日です。皆さんも今年の世界王者の誕生を目の当たりにしましょう!10月30日午前8時半より試合開始です!

Worlds 2016 Best4 Teams Samsung Galaxy VS H2k-Gaming

残りの2チームです。同組織としては史上2チーム目となるWorlds二つ目のタイトルを狙うSSGとSeason1以来のサモナーズカップを狙うH2kを見ていきます。

 

Samsung Galaxy(GroupD 1st)

Group Stage 5-1(RNG 2-0,TSM 1-1, SPY2-0)

Knockout Stage Quarterfinals vs Cloud9 3-0

 

注目選手とPick

Cuvee - Rumble,Kennen

CuveeはここまでRumbleとKennenを3試合ずつ使用している。Kennenは3戦全勝でRumbleは2勝1敗だ。4チームの中でここまで最も落とした試合数が少ないチームでもある(グループステージにおいてTSMに対し1戦落としたのみ)。とはいえグループステージは比較的楽な組み合わせであり、Knockout Stageも楽な山に入ったことが要因の一つとはいえるだろう。彼はこのほかにEkkoとPoppyを使用しているが、チームが彼に求める役割はイコライザーや雷撃の大嵐によるハードエンゲージのようだ。JungleのAmbitionがSkarnerやRek'Saiといったピックアップを得意とするchampionを好んでいるが故の傾向と思われる。

 

Ambition - Rek'Sai,Skarner

彼はこの2championを主軸としている。他にはOlafと一度だけEliseを使用しているが、Eliseは唯一の敗戦だ。Rek'Saiは彼がmid lanerからJunglerに転向したちょうどその頃に実装されたchampionで、完全なメインチャンピオンだ。しかしRek'SaiをBANしてもSkarnerが控え、またOlafを初めまだまだ彼のchampionプールは広い。そのためほとんどターゲットBANされることはない。彼が中心となってチームが動いていることは明白であり、現在のJungleから試合を作り上げるメタに非常にマッチしているからこその夏以降のチームの飛躍だと言える。(余談ではあるが日本のプロチームDetnatioN Focus MeのJungler DayDreamはCJ Entus Blaze時代のチームメイトであり、共に世界規模の大会で優勝した経験を持つ)

 

 

 

◎H2k-Gaming(GroupC 1st)

Group Stage 5-2(タイブレーク勝利,EDG 2-1,AHQ 1-1,INTZ 2-0)

Knockout Stage Quarterfinals vs Albus NoX Luna 3-0

 

注目選手とPick

Ryu - Vladmir,Cassiopeia

ユーティリティに優れたこの2championを選択する傾向が強い。他にはSyndraとRyzeがありこれも似た傾向だ。後述するFORG1VENが十分に暴れられる環境を作るためにチーム方針としての選択のように思える。彼自身はアグレッシブが売りのプレイヤーなので物足りなさを感じているかもしれないが、結果としてチームは勝利しているので今後もまず間違いなくこのスタイルで来るだろう。SSGを倒し、SKTが決勝に来れば"世界で最も再生されたLoL動画のやられ役"という汚名を返上できるかもしれない。

 

FORG1VEN - Caitlyn

彼はもともとLucianなどのアグレッシブで操作量の多いADCを得意としており、実際今大会でも2勝をあげている。。しかし彼の特筆すべき点はそれに限らずCaitlynのようなセーフティなADCに関しても同じくらいのパフォーマンスを安定的に出すことができるということだ。Caitlynを5試合でPickし、KDA11超えを記録しておりその腕の確かさが見て取れる。これまでDoubleliftやRekklesに隠れてきたが、現在LCS地域のADCの中で総合的なスキルは彼が一番だと感じる。RyuをサポーティブにさせるほどのCarryを見せる彼が韓国チームを破りチームと自分の実力を世界に証明するのも最早夢ではないところまできている。

 

 

ざっとですがこんな感じです。SKTのファンなのでSKTにぜひ優勝してほしいですが、ROXも好きだしH2kのドリームも見てみたいという気持ちがあり中々迷うところです…

Worlds 2016 Best4 Teams SKTelecom T1 VS ROX Tigers

WCS 2016も残すところ4チーム、残り3試合となりました。今年の頂点に輝くのは一体どのチームか。三度目の栄冠を狙うSKTとSKTに辛酸を舐めさせられ続けてきたROXについて詳しく見ていきます。

 

◎SKTelecom T1(GroupB 1st)

Group Stage 5-1(C9 2-0,IM 2-0,FW1-1)

Knockout Stage Quarterfinals vs Royal Never Give Up 3-1

 

注目選手とPick

Faker - Varus,Syndra

どちらもグループステージ・ノックアウトステージ共に一度ずつpickされている。Syndraはなんとここまでの64試合中62試合でP/Bされている非常に強力なpickなので不思議ではない。しかしFakerはもともとSoloQ Kingであり、Syndraは常にSoloQでは強力なpickであるためアサシンを得意とする彼には珍しいmage系の持ちchampであるためSKTはSyndraがオープンだった場合必ず最初に取り、どちらも勝利している。

Varusは5回pickされているがそのうち2回はFakerによるものだ。そして2勝している。最初に見せたIM戦ではDukeのJayce,BangのCaitlynと共にPokeでsiegeしていく試合展開が見られた。次のQFにおける対RNG2戦目ではKennenやZacといった強力なAP主体の前衛に合わせる形でpickされている。第一試合を安定的な構成同士で戦い勝利したRNGはこの試合で流れを崩されてそのまま負けてしまった。FakerのChampionプールの広さにより構成を大きく変えたことが勝因となったといえる。

彼はこれまでもMaster YiやOlafをmidで使用するなど非常に奇抜なpickを見せており、底知れないChampionプールにはまだ秘策が眠っていそうだ。

 

Bengi/Blank - Olaf/Lee Sin

これまでの10試合でSKTのJungleはOlafが大きな割合を占めている。(Olaf4Lee2Elise2Nid1Zac1)

そのうちBengiはグループステージ最初のC9戦と最後のFW戦、そしてQF初戦に登場したがElise,Olaf,Leeとまとまりのないpickだ。一方BlankはOlafを3試合にその他得意のNidalee、隠し玉のZacなどを用意していた。準決勝の相手ROXのJungler Peanutは非常に早い試合展開を得意としており、リアクションで競り勝つBengiのスタイルでは追いつけないと予想されるためBlankをスターター起用するだろう。現状世界最高の攻撃的JunglerであるPeanutにBlankはどれだけ対抗できるかが勝負の分かれ目になると思われる。

 

 

 

◎ROX Tigers(GroupA 1st)

Group Stage 5-2(タイブレーク勝利,ANX 2-1,CLG 1-1,G2 2-0)

Knockout Stage Quarterfinals vs EDward Gaming 3-1

 

注目選手とPick

Peanut - LeeSin/Elise

Peanutが現在世界最高のJunglerの一人であることは疑いようもない。プロとしてのキャリアはほぼ今年からであるにも関わらず瞬く間にROXの世界最高峰のチームとしての実力と実績の中心となった。

2016年前半のKindred/Graves/Nidaleeらが席巻したCarry Jungleメタを得意とし、現在のWorldsのメタもJungleから試合が作られていくタイプのため彼には追い風となっている。しかし彼の最大の長所はそれだけではなく、メタに対して柔軟に対応できる点だ。

同じくKindredやNidaleeを得意とし頭角を表したSKTのBlankは反面EliseやLeesinなどの扱いには少々不安が残る。しかしPeanutはこれらのChampionも完璧に使いこなせている。春から確実に成長しているのが見て取れる。

今大会において特筆すべきはここまでJungle Pick率1位のOlafを1度しか使用していない点だ。Olafの特徴はピックアップされづらく安定的であることだが、彼は安定を求めていない。LeeSinやEliseで積極的に敵チームに圧力をかけるプレイが彼の信条であり、それが世界最高のJunglerたる所以だ。

 

PraY - Ezreal

ここまでの試合で彼はCaitlynやJhinを多くPickしている。今大会ADCの中心的なメタであり安定的だ。しかし彼はディフェンシブ指向の韓国ADCの中でもひと際目立つCarryタイプのADCだ。本来はLucianはEzrealを得意としている。今大会ではメタから少しはずれているためあまり見られないが、ANX戦ではLucianとEzrealが登場し彼らしいアグレッシブなプレイが見られた。現在のメタと作戦上JungleのPeanutがbotに圧力をかけるシーンはあまりないため彼が中心となってCarryする様子は今後も見られないかもしれないが、彼が伸び伸びと戦える環境が整えばその時PraYと戦えるADCは世界にほとんどいないだろう。

 

 

 

ざっとですが書いてみました。SSG H2Kについてはまた次回。