WCS出場チーム簡単な紹介 グループA
ついに三日後に開催を控えた2016 League of Legends World Champion Ship(以下WCS)を前に各グループの出場チームについて簡単に紹介していきたいと思います。
一応事前に注意という形で書いておきますが、自分はLPL(中国)やLMS(台湾)、IWCQ(ワイルドカード枠)のリーグに関してはあまり詳しくないのでそのあたりのチームに関しては内容盛りだくさんとはいかないと思いますが、ご了承ください。
さて、2016WCSは現地時間9月29日、日本時間だと30日の朝8時より開会式と順次試合が行われていきます。その後一週間ごとに試合を続け、日本時間10月30日に決勝戦が行われる予定です。場所はアメリカ各地を転戦する形になります。詳しくはこちらを確認してください。
今年の世界最強チームを決める一年に一度の最も大きな世界大会なので本当に強いチームとメンバーだけが出場を許されています。残念ながら日本代表チームはワイルドカードのトーナメントで敗退していますが、ワイルドカードトーナメントからも2チーム出場していますし、日本チームが出場する日もそう遠くないと言われています。
そんなLoL一番の祭典を見ない手はありません。お気に入りのチームがある人はもちろんなくても十分に楽しめるでしょう。唯一の問題は配信は全て英語(準決勝より日本のプロリーグLJLのキャスターが実況解説を独自に行う予定)なので聞いてもイマイチわからないということですが、試合の展開だけなら世界共通なので実況や解説がわからなくても十分見れると思います。
今回はグループAの4チームについて紹介していきたいと思います。
・ROX Tigers(LCK 1st Seed, LCK 2016 Summer Champion)
ROX Tigersは今大会の優勝候補の一角とされる韓国の強豪チームであり、昨年のWCS準優勝チームだ。
チームのメンバーは2014年末のRiotの競技協定変更により一つの組織が二つ以上のチームを所有することを禁じられた結果放出されたメンバーの寄せ合わせでしかなかった。しかし2015年春のLCKラウンドロビンを1位で終える快進撃を見せた。しかしplayoffでSKT T1に敗れ優勝を逃した。
それ以来夏も決勝でSKTに敗れ、初出場でWCS決勝まで進出し、決勝で再びSKTに敗れることになる。今年に入っても春は再びラウンドロビンを1位で通過したにも関わらずまたしても決勝でSKTに敗れた。1年半もの間宿敵SKTの後塵を拝してきたチームもついに、今夏LCK初タイトルを手に入れ1stシードでWCSに乗り込んでくる形となる。
しかし、宿敵SKTは今夏準々決勝で敗れているため直接勝利したわけではなくROXにとってはまだ借りを返したとは言えないだろう。今年は盤石の態勢で臨んでおり昨年以上の力を見せると予想されるが、決勝の舞台でSKTを破るときが彼らの本当のゴールといえる。
Roster
Top :Smeb Jungle:Peanut Mid:kurO ADC:PraY Support:GorillA
注目選手:
Top Laner Song "Smeb" Kyung-ho
ROX Tigersの中心選手にして現在世界最高のtop lanerとの呼び声も高いスタープレイヤー。昨年のWCSではリメイク直後のFioraを多用し1v1で世界の強豪top lanerを蹴散らした。
デビュー当時は韓国最弱プロなどと揶揄されることもあったが、Tigers加入後に急成長し今や世界最高のプレイヤーの一人になった。
ROXは彼とJungleにGoldを集めていくスタイルを得意としているため彼の仕上がり次第で優勝が大きく近づくだろう。
Coach Jeong "NoFe" No-chul
選手ではないがコーチのNoFeも注目だ。Tigersが韓国を代表するトップチームになったのも彼の貢献が大きい。
メタを正確に読む能力や選手の才能を丁寧に伸ばしていくコーチング技量に加え、B/Pの鬼と言われるほどBanPickに優れ、ただでさえ強いROXに試合開始前から有利を築くいていく。並大抵のチームではROXにB/Pで勝つのは難しいだろう。
・G2 Esports(EU LCS 1st Seed, EU LCS 2016 Summer Champion)
G2は今年からEU LCSに参加したルーキーチームだ。しかし春夏のEU LCSを圧倒的な力で連覇し、FnaticやH2Kといった強豪を一切寄せ付けずに瞬く間に王者に君臨したG2であったが、今年5月に開かれた世界大会MSIではワイルドカードチームを除けば最下位に沈んだ。
夏からはtopとadc,supportを入れ替える大きな変革を行ったが、盤石のシーズンを終えて再び1st Seedとして世界の舞台に臨む。
Roster
Top:Expect Jungle:Trick Mid:Perkz ADC:Zven Support:Mithy
注目選手
Jungle Kim "Trick" Kang-Yoon
TrickはG2に加入する以前は韓国LCKのCJ Entusの控え選手だった。しかし今年加入後頭角を表し始め、春夏のEU LCSのMVPを連取する偉業を成し遂げた。MSIでは不本意な結果に終わったが彼の活躍次第で今回のWCSでG2がどれだけ戦えるかが決まるといえるだろう。
ADC Jesper "Zven" Svenningsen
夏より加入したADC。昨年のWCSにはOrigenのメンバーとして出場しベスト4まで勝ち進んだ。同じく夏に加入したsupportのMithyも同じくOrigenで戦ってきた相棒だけにMSIでは課題と見られていたbot laneの安定感は間違いなく向上しているだろう。
まずはグループステージ突破を狙いたいところではあるが、昨年準決勝で敗北したTigersと同じグループということもあり、彼とMithyは借りを返したがっていることだろう。
・Counter Logic Gaming(NA LCS 2nd Seed, MSI 2016 Finalist)
Counter Logic Gaming(以下CLG)は世界で最も古いLoLプロチームの一つだ。NAでは長きに渡ってライバルTSMとしのぎを削りあってきた。
最古参のチームでありながらNAを制したのは昨年夏が初めて。1stシードとして乗り込んだWCSではグループステージでワイルドカードチームに負けるなどして突破することすらできなかった。
今年初めにスタープレイヤーであったDoubleliftがライバルTSMに移籍、midのPobelterも放出するという大事件がファンに衝撃を与えたが、下部チームから獲得したStixxayが型にハマりそのまま春のLCSを制覇してMSIに乗り込んだ。その結果惜しくも決勝でSKTに敗れたものの準優勝という快挙を成し遂げ、いまだRiot主催の国際大会で優勝したことのない唯一のメジャー地域であるNAの底力を見せつけた。
今大会では昨年のWCSでもグループステージで戦ったTigersと再び合い見えることとなる上に、夏以降調子のいいG2も同じグループであるため夏以降メタの変遷から苦戦を強いられてきたCLGとしては正念場のグループステージと言えるだろう。
Roster
Top:Darshan Jungle:Xmithie Mid:Huhi ADC:Stixxay Support:Aphromoo
注目選手
Top:Darshan "Darshan" Upadhyaha
DarshanはNAでも最高峰のtop lanerとしてその名を知られており、特に1v1やsplit pushに定評がある選手だ。
今大会のメタではtop lanerの1v1が非常に重要であるため彼の仕上がり具合はCLGの結果を左右すると言える。しかしながら彼の得意とするJaxやFioraなどのsplit pusherはメタの中心とはいえないため、思うようにいかないシーンも多くありそうだ。
ADC:Trevor "Stixxay" Hayes
NAで最も人気のあるスタープレイヤーDoubleliftの後釜としてCLGが選んだプレイヤー。彼が加入した最初のシーズンでCLGはNAを制し、MSI準優勝を成し遂げた。
彼はCaitlynやTristanaといったロングレンジのAA主体ADCを得意としており、春シーズンやMSIではその実力を如何なく発揮した。
反面EzrealやLucianといったスキル重視のADCは苦手としており、実際この二人を多く使った夏シーズンの勝率はあまりいいとは言えない。
現在のCLGは彼にGoldを集めるスタイルを取っているので、彼が正しくダメージを出せる環境が整えば世界を相手に再びに牙を剥くことだろう。
・Albus Nox Luna(2016 International Wildcard Qualifiers Winners,LCL 2016 Summer Champion)
ANXは主にロシアやその周辺の地域が参加するLCLの強豪チームだ。昨年のWCS後に行われたALL STARに出場したSmurfとKiraを擁する。
IWCQ(ワイルドカードトーナメント)ではグループステージで4位に終わりギリギリのプレイオフ出場となったが、1位の北ラテンアメリカ代表Lyon Gamingを破っての出場となった。
このチームの最大の特徴はtopの次にGoldを集めるのがSupportという点だ。これは他の出場チームではまずありえないステータスであり、これがROXやG2、CLGといった強者揃いのグループでANXが生き残るカギになるかどうかが見どころである。
Roster
Top:Smurf Jungle:PvPstejos Mid:Kira ADC:aMiracle Suport:Likkrit
注目選手
Mid Michael "Kira" Garmash
LCL最高のmid lanerとの呼び声も高いスタープレイヤー。世界規模の大会に出場したのは昨年冬のAll Star2015であるが、1v1ステージではNAの大人気top laner Dyrusを破るなどの快挙を挙げた。
Aniviaを得意としており、All StarでもAniviaでDoubleliftをキルするシーンが見られた。彼がゲームをコントロールすることができればANXにとって良い試合運びができるだろう。
Support Kirill "Likkrit" Malofeev
ANXの中心選手。先ほども述べた通り彼はSupportにも関わらずチームで二番目にGoldを稼いでいる。彼はBrandを最も得意としており、ダメージ量でも最多になることさえある。彼のBrandが序盤からbot laneを支配し、小規模な集団戦が起きればultで殲滅するといったことを繰り返して有利を広げていくのがANXの確立されたスタイルだ。
世界の舞台でこの異色のSupportがどれだけ通用するかはわからない。特にグループAはGorilla、Mithy、Aphromooと各地域を代表する名Supportが出揃っている。彼らを相手にBrandの炎がどれだけ焼け跡を残せるかは見物だ。
グループAはこんなところです。思ったより文章量が多くなってしまいました。個人的には一番書くことの少ないグループかなと思っていたのでびっくりです。この調子だとグループBなんかは二倍くらいの分量になりそうで怖いですw