WCS出場チーム紹介 グループB
グループBです。個人的に一番注目しているグループなので少し熱が入ると思います。
・Flash Wolves(LMS 1st Seed,LMS 2016 Summer Champion)
台湾の1st Seedとして昨年に続いて二度目の出場となる強豪チーム。メンバーのうち3人がSeason3のWCSに出場したGamania Bearsの選手で彼らは三度目のWorlds出場となる。
近年台湾のシーンはAHQ esports Clubというライバルチームが王者として君臨していたものの、今年に入って2シーズン連続でLMSのタイトルを手に入れるなど波に乗っているチームである。MSIではグループステージで参加チーム中唯一SKTに対して2連勝をもぎ取ったものの準決勝でCLGに敗戦する後味の悪い世界の舞台となってしまった。
また昨年のWorldsでもグループステージでは準優勝したKOO Tigers(現在のROX Tigers)から2勝するも準々決勝で敗れるなどの経歴があり、韓国の強豪チームに対する勝率が非常に良いのに対して他地域に対して勝ちきれないところがネックだと言われている。
今回は優勝候補筆頭であるSKTと同じグループに入ることになった。韓国キラーの本領を発揮することができれば、彼らの優勝も夢ではないだろう。
Roster
Top:MMD Jungle:Karsa Mid:Maple ADC:NL Support:SwordArt
注目選手
Jungle Hung "Karsa" Hau-Hsuan
世界最高のJunglerとの呼び声も高いプレイヤー。台湾は地理的に韓国と近いこともあり中国同様恒常的に韓国サーバーで練習を行っているため、彼を含め台湾のメタはほとんど韓国に近い。そのせいもあってか韓国キラーと呼ばれるのかもしれないが、いずれにせよ彼の相手のJungleをMidのMapleやSupportのSwordArtと共に干からびさせていくようなスタイルが型にハマればまず敵はいないだろう。
Mid Huang "Maple" Yi-Tang
こちらも台湾最高のMidと言われることが多い。スタイルはアサシンを得意とする典型的なキャリー型であり、Fakerとスタイルが似ているため比較されることも多い。しかしながらLuluなどのサポートタイプからTaliyahやViktorといったユーティリティに優れたchampionも卒なくこなすため対戦相手は非常に彼の対策に苦しむことだろう。
・SKTelecom T1(LCK 2nd Seed,LCK 2016 Championship Point Runner)
SKT T1は世界で最も有名で、最も強いLoLのチームだと多くの人が言うだろう。過去に5度世界最高峰のリーグLCKを制し、WCSを2度制した世界で唯一のチームだ。今年は昨年決勝で屈辱的な敗戦を喫したMSIも制覇し主要な国際大会の王冠をすべて手に入れた唯一のチームともなった。最も有名なプレイヤーであるFakerを中心に常にスタープレイヤーが在籍しているが、それはコーチであるKim "kkoma" Jeong-gyunがダイヤの原石を見つけ、育てた結果に他ならない。彼の非常に高いコーチとしての素養と選手たちの頂点への渇望がこれほどまでに強い組織を生み出しているといえる。
昨年は14-1の圧倒的なスコアでWorld Championとなったが、オフシーズンに司令塔だったtopのMaRinを失い、スーパーサブであったMidのEasyhoonをも放出するなど大きな痛手となった。さらにメタの変遷でGravesやKindredが流行し始めるとTank系でラインを作るのが得意なJunglerのBengiが調子を落とすなどし、昨年の圧倒的な力は失われたかに思えた。
しかし新加入のBlankがJungleに入るとSKTは息を吹き返し、そのまま春シーズンを優勝しMSIも優勝することになる。
ただし不安な点もある。夏以降再びメタが変わり、Blankは春ほどの力を出せなくなってきている上に、プロになって日が浅いためSKTという世界最高のチームに所属していることへの重圧からプレイが不安定になる時が度々あった。その結果、夏のLCKでは準々決勝で敗れ2014年夏以来4期ぶりに国内優勝を逃すこととなった。
同グループには侮れない強豪が揃っているため油断は禁物だ。果たしてSKTは再び世界に最強のチームであることを証明できるのだろうか?
Roster
Top:Duke Jungle:Blank/Bengi Mid:Faker ADC:Bang Support:Wolf
注目選手
Jungle Kang "Blank" Sun-gu/Bae "bengi" Seong-ung
カギを握るのはJunglerとしてどちらを出すかだ。現在のJungleのメタは昨年のWCS時と非常に似ており、GragasやRek'Sai、Eliseなどが主流であるためbengiとは非常に相性がいい。しかしコーチのkkomaは今年の戦績や昨年からのtopレーナーの変更やMidのメタの変遷などを鑑みてBlankをスターターに起用し続けている。その結果夏は決勝にすら進むことができなかったが果たしてWCSではどのようにメンバーを決めるのだろうか。(ちなみにbengiはFaker以外で唯一WCS二度制覇を経験しているプレイヤーで、自分が一番好きなプレイヤーです:))
Mid: Lee "Faker" Sang-hyeok
言わずとしれた世界一有名なLoLプレイヤー。LoLのGod(神)たるRiot GamesをしてGodと言わしめたためGod of Gods(神々の神)などと呼ばれることもあるほどの選手だ。プレイを初めて僅か半年で韓国サーバーの1位になり、プロ入り。そのまた半年後に世界を制するなどの経歴を持ち、LoLの申し子と言っても過言ではない。彼のプレイは数々のドラマを生み出してきている。世界最高のプレイヤーとして、そして世界最高のチームの一員として優勝するために彼の力は必要不可欠であり、またとてつもない重責がのしかかっている。それらをすべて押しのけて再びSummoner's Riftを支配する彼のプレイに期待がかかる。
・I May(LPL 3rd Seed, LPL 2016 Summer Regional Winner)
I Mayは今夏からLPLに参加し始めたチームだ。もともとはEDG(Edward Gaming)の下部チームであったが昇格に伴い組織をI Mayへと変えた。そのため彼らは中国の強豪チームを僅か数か月で押しのけてWorldsへの参加権を手にしたことになる。現在の中国シーンではEDGとRNGが二強でありその下にTeam WEやVici Gaming、Snake esportsなどのチームが続く。二強がWCS出場を決めたのち最後の一枠を決めるRegional Finalでは本命だったTeam WEをBo5フルセットの激戦で破り出場を勝ち取った。
Roster
Top:AmazingJ Jungle:Avoidless Mid:Athena ADC:Jinjiao Support:Road
注目選手
Top:AmazingJ
昨年のWorldsではEDGの正トップレーナーであったKoro1のサブとしてグループステージに登場した。SKT以外には快勝するものの当時世界最高のtop lanerとされていたSKTのMaRinには全く敵わない姿が印象的だった。その後彼は二部チームに降格とされたがその情熱で二部リーグを勝ち上がり、再び世界の舞台に戻ってきた。
Mid:Athena
昨年のWCS後に行われたKeSPAcupで世界を制した直後のSKTを破るなどして一躍有名になったEver(現在のESC Ever)に所属していた選手。その後EDGに引き抜かれるものAmazingJ同様二部チームに降格していた。KeSPAではFakerと対面し、そして試合に勝利しているため同グループにSKTがいることは一種の幸いかもしれない。彼を中心にSKTの牙城を崩すことができるかが一つの注目点だ。
・Cloud9(NA LCS 3rd Seed,NA LCS 2016 Summer Regional Winner)
Cloud9はNA強豪チームの一つだ。今年から強豪の仲間入りを果たしたIMTを除けばこれまで長らくTSM,CLG、そしてC9と言われてきた。長らく同じメンバーで活躍し続けていたことでも有名だったが、今年に入りメンバーを大幅に変更し始めた。春には世界最高峰のJunglerであるRushを加え、Supportにも新しいメンバーを加入させるなどしたが振るわなかった。夏になると今度はtopにWCS優勝経験があるImpactを迎え、さらにJungleをかつてのスターターであったMeteosに戻し、Supportも新しいプレイヤーを迎え入れた。これで勢いを増したC9はplayoffの決勝まで進むもTSMに惜しくも敗れた。しかしRegionalでは危なげなく勝利し3年連続のWCS出場となった。
Roster
Top:Impact Jungle:Meteos Mid:Jensen ADC:Sneaky Support:Smoothie
注目選手
Top Jung "Impact" Eon-yeong
Season3 WCSをSKTの一員として制したプレイヤー。当時は世界最高のtopの名を欲しいままにしていたが、Season4のSKTの不調によりNAへやってきた。昨シーズンは振るわなかったものの、Cloud9に加入してから勢いを増してきた。特に序盤のレーンスワップメタが終わり、1v1が重要となるtopのメタで彼はNAでは敵がいないことを存分に証明して見せた。そして彼と1v1で戦える選手は世界にも数えるほどしかいないだろう。ファンはSKT T1 Impactが帰ってきたと言うほどだが本人は「自分はもうSKTにいたころよりもずっと強いから、C9 Impactが適切だ」と答えるなどチームへの帰属意識も十分だ。彼の優勝記念スキンであるSKT T1 Jaxが象徴する1v1とsplit pushの鬼が古巣のSKTをtopから崩壊させることができるのか、そのドラマにも注目が集まっている。
Jungle:Meteos
長らくC9のスタメンとして活躍してきたが春シーズンは世界最高のJunglerともいわれていたRushにその座を奪われる屈辱のシーズンを過ごした。しかし彼は再び舞い戻り、チームを世界の舞台へ再び誘ったといえる。彼はTankや味方に合わせる動きを得意としており、現在のメタとは非常にマッチしたスタイルであるため、彼が序盤から崩されることがなければC9は世界の頂点に近いチームとなれるだろう。
長くなりましたがグループBです。C以降は来週になると思います~
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