ADCメインのLoL独り言

League of Legends のしがないADCメインが細々と書きます

WCS出場チーム紹介グループD

最後です。地味に大変でしたw

 

・Team SoloMid(NA LCS 1st Seed,NA LCS 2016 Summer Champion)

TSMは世界で最も古いLoLのプロチームだ。NA LCSでは幾度となく頂点に立ち、ライバルであるCLGと競い合ってきた。C9のような新しい強豪チームが現れても、メンバーが大きく入れ替わってもTSMというチームが北米地域で凋落したことは一度としてない。また世界で唯一、今大会で6度目の開催となるWorldsすべてに出場し続けているチームでもある。Dyrus,Reginald,Xpecial,TheOddOne,Chaox,WildTurtle,Lustboy,YellOwStaRなど既にチームを脱したメンバーだけでも世界最高クラスのプレイヤーが名を連ねている。現在もBjergsenやDoubleliftのようなスター選手を抱えており、LoL界のFCバルセロナ(もしくはレアル・マドリード?)などと揶揄されることもある。

しかし輝かしい北米地域での栄光とは裏腹に、世界の舞台では一転してどん底に落ちることでも知られている。北米で最も強いチームである彼らがグループステージすら突破できないようでは、これまで一度も世界一の栄冠をNAが掴んだことがないのも頷ける。

今年は春シーズン開始前にmid以外のすべてのRosterを変更する大きな賭けに出た。春は安定しない面もありMSI出場を逃したが夏は圧倒的なレコードでNA LCSを制した。6度目の正直で、今度こそ世界の頂点に立つことができるだろうか。

 

Roster

Top:Hauntzer Jungle:Svenskeren Mid:Bjergsen ADC:Doublelift Support:Biofrost

 

注目選手

Jungle Dennis "Svenskeren" Johnsen

かつてはEUの強豪チームSK Gamingに所属していた選手。2012年にプロ入りとプロ経験も豊富だがこれまで目立ったタイトルはない。昨年行われた2016春のEU LCSのPromotion SeriesでGamers2(現在のG2 esports)敗北しチームはCSに降格となった。その際に脱退したSantorinの後釜を探していたTSMにオファーされて加入した。

目立ったタイトルのないことからわかるように加入当初は平凡でこれといった特徴も長所もないプレイヤーだったが、ゆっくりと頭角を表し始めた。TankからCarryタイプまでなんでも使いこなす器用さと、HauntzerやBjergsen、Doubleliftといった優れたプレイヤーたちをサポートする立ち回りができることから彼のスタイルがかみ合えばチーム全体が爆発的な力を生み出すだろう。

 

Support:Vincent "Biofrost" Wang

TSMは今年初めに世界最高のSupportの一人として知られるYellOwStaRをFnaticから獲得したが、彼のプレイスタイルはTSMと全くかみ合わず1シーズンで脱退することとなってしまった。急遽行ったトライアウトで白羽の矢が立ったのがこのBiofrostである。彼はCSでプレイしていたことがあるがそれ以外にほとんど情報はなく、TSMのファンは皆一様に不安なシーズンの幕開けを心配していた。しかし蓋を開けてみれば連戦連勝で、特にBiofrostの活躍は目覚ましいものだった。瞬く間にNAのトップ選手の一人に仲間入りした彼が狙うのは世界の頂点に他ならない。往年の名プレイヤーだがちょっと先走りすぎるDoubleliftを上手くSupportすれば、その夢も夢ではなくなるかもしれない。

 

・Royal Never Give Up(LPL 2nd Seed,LPL 2016 Championship Point Runner)

RNGは形式上はSeason3,4にWCS決勝まで進出したStar Horn Royal Club(SHR)の姉妹チームということになる。しかしその成り立ちは非常に複雑で中国地域特有の金銭によるチーム売買が絡み合ってできたチームだった。現在大本であったSHRは中国二部リーグで戦っているが、RNGは今年に入りSeason4優勝経験者であるLooperとMataをチームに迎えると瞬く間にトップチームの一員となった。そのままの勢いでLPLを制しMSIに乗り込むとグループステージを8-2と圧倒。しかし結局決勝トーナメントでSKTに敗れてしまった。

夏には中国最高のADCと名高いUziを獲得(UziはかつてのSHRの中心メンバーで二度WCS決勝に進出している)し、さらなる強化を図ったが波に乗るEDGには勝てず夏シーズンは落としてしまった。

かなりのメンバーが揃っているが夏はEDGの後塵を拝したように弱点もある。そこを上手くカバーしていけるかどうかが今大会の課題となりそうだ。

 

Roster

Top:Looper Jungle:mlxg Mid:Xiaohu ADC:Uzi Support:Mata

 

注目選手

Top Jang "Looper" Hyeong-seok

Season4Worldsを圧倒的な力で制したSSWの元top laner。当時はKayle Singed Akali Alistar Kassadinなど彼の独自の理論から考えられたpickでtopを支配していた(SSW Singedスキンはその象徴である)。現在は概ねメタに沿ったpickが多く、韓国のトッププレイヤーにはSmebやSsumdayといった攻撃的なtop lanerが多い中で珍しく防御的思考の強い選手だ。とはいえplayoffではSingedを見せるなど彼らしさは健在だ。Mataと共に再び世界の頂点に立つことを彼は望んでいるだろう。

 

Support Cho "Mata" Se-hyoung

Looperと同じく元SSWのWorlds優勝経験者。しかも彼はSeason4のMVPでもある。彼ほどメカニクスに優れまたShot Call(試合中の戦術的指示を味方に出すこと)に長けたプレイヤーは世界中を探しても他にはいないだろうと言われるほどのプレイヤー。昨年中国に移籍してからは振るわなかったが、今年に入って再び世界の舞台に戻ってきた。彼の盤面を支配する力が真価を発揮できるチームメイトは揃っている。後は適切にそれを実行するだけだろう。

 

Samsung Galaxy

SSGはかつてWhiteとBlueという二つのチームが世界を席巻していた組織の大本である。前述のRNGに所属するLooperやMata、EDGのPawNやDeftといったスター選手を多く抱えていたがSeason5を迎える際にほとんどを中国に流出した。結果無名の選手や新人の選手ばかりで構成されたチームとなり、世界王者から一転して韓国でも下位のチームとなってしまった。

しかし昨年末に韓国シーンにおける大ベテランであるAmbitionを獲得するとチームは息を吹き返した。春シーズンはギリギリplayoffに進出するにとどまったが、夏シーズンでは序盤いい滑り出しで一時的には1位になるなど飛躍を見せた。その後playoffで負けたKT RosterをRegionalで破り再び世界の舞台に戻ってきた。

 

Roster

Top:CuVee Jungle:Ambition Mid:Crown ADC:Ruler Support:Wraith

 

注目選手

Jungle Kang "Ambition" Chan-yong

Ambitionは韓国のプロシーン黎明期から活躍する大ベテランである。過去には国内タイトルを獲得したこともあるが、これがWorlds初出場となる。SKTのスーパースターFakerが現れる以前まで、彼が韓国において最高のmid lanerと呼ばれていた。しかしFakerのデビュー戦で彼はFakerにソロキルを取られ、その座を明け渡した。その後チームの方針と自己意思によりJunglerへと転向するが、韓国地域の強豪だった自チームCJ Entusは徐々に他チームに抜かれ始め、Season5の終わりごろにチームを脱退し今に至る。彼がチームの中心であることは疑いようもなく、SSGの勝ち筋は常に彼が起点となっている。双肩にかかる重荷は大きいが、初の世界の舞台で存分にその力を示してほしい。

 

・Splyce(EU LCS 3rd Seed,2016 EU LCS Regional Winner)

Splyceは今年からEU LCSに参加した新興チームだ。参加当初はJungleのTrashy以外LCS経験者がいないほどであった。案の定春シーズンは苦戦しCS入れ替え戦にもつれ込むも辛くも残留を決める。すると夏シーズンは選手たちの努力の成果と大舞台での慣れが上手くかみ合ったのか程よい戦績でsplitを終え、playoffでも決勝まで進むなど大躍進を遂げた。その後Regionalを勝ち抜いてG2と同じく初めてLCSに参加し、そしてWCSへと駒を進めた。

 

Roster

Top:Wunder Jungle:Trashy Mid:Sencux ADC:Kobbe Support:Mikyx

 

注目選手

Mid Chres "Sencux" Laursen

今年が初のLCSとなるSencuxだが、春に比べて夏は概ね安定したプレイを見せていた。メタに柔軟に適応する姿勢が特に強く、安定性を重視しアウトプレイの少ない立ち回りが特徴的だ。しかしやるべきときにはやるというのも彼の持ち味であり、実際彼のここぞというときに出るアウトプレイにチームは何度も助けられてきた。彼が勝負どころを見誤らなければ、世界の舞台でも十分にチームを勝利に導けるだろう。

 

Coach Jakob "YamatoCannon" Mebdi

宇宙戦艦ヤマトの主砲「ヤマト砲」をサモナーネームにしてしまった愉快なSplyceのHead Coach。彼は昨年のWCSでゲストとしてアナリストデスクに招聘されていた。選手としてプレイした記録は少なく2012年から2013年にかけてCSやアマチュア大会などに出ていたことがある模様。彼のコーチとしての腕は確かであり、実際に弱小チームだったSplyceをWCS出場まで持ち上げた。その功績を称え2016EULCSSummerのベストコーチ賞に選出された。彼の考え出す巧みな戦術がSplyceに番狂わせを起こさせるのか期待したい。

 

やっと終わりました…おまけでちょっと今年の5大リーグの感想的なの書こうと思ったんですが疲れたのでやめますw