ADCメインのLoL独り言

League of Legends のしがないADCメインが細々と書きます

TeamFightで本当にやるべきことはなにか ADC編

 ブログではお久しぶりです。星屑です。今回はシーズン7のランクも始まったということでLoLの試合中における花形ともいえる集団戦に関する記事を書きます。

 

集団戦で重要な情報とはなにか?

 

 集団戦(この記事の中で集団戦とは基本的に5v5で始まる戦闘のことを差す。テレポートによる後入りやグローバルultによる援護などは考慮しません。)では10体のチャンピオンがスキルやAA、アクティブアイテムやサモナースペルといった様々なものを撃ち合います。さらにスキルの撃たれる方向やアクティブアイテム使用のタイミングなどのより細かい情報を加えていけばまさに無限のように情報が入り乱れる空間が僅か十数秒の中に濃縮されることになるのです。その中で絶対的に重要な情報とはなんでしょうか。

 

 この記事ではADCの視点で書きますので必ずしも他のロールで正解とは限らないことを前提としつつ

 

1.敵の誰を自分は倒すことができないのか

2.敵の誰がダメージを出しているのか

3.自分をキャッチできる敵のスキルはいくつあるのか

 

これらが私が考えるADCが集団戦を戦う上で最も重要な情報です。他には敵のサモナースペルのCD状況や味方のpeelスキル有無や意識、味方前衛と敵ダメージ源の戦力バランスなども考慮に入れる必要がありますが、少なくとも上に挙げた三つができればGoldになることは容易いでしょう。前提に他ロールではこの限りではない、と書きましたが基本的なことでありすべてに通じるのもまた事実です。順番に解説していきます。

 

1.敵の誰を自分は倒すことができないのか

 LoLには100体を優に超えるチャンピオンがいて、しかもアイテムビルドによって様々な戦い方があります。そんな中で相手の育ち具合、アイテムビルドの進み具合、そしてスキルセットを考慮したうえで敵の誰は自分が倒す前に自分を殺せるのかを知る必要があります。例を交えて考えてみましょう。

 

例:自分はエズリアル。レーン戦では何度かキルを取り対面には微有利。敵のtankはサイオンでこちらの対面のtopレーナーはかなり腐っている。相手のmidはジグスだがこちらは腐っている。レーン戦が終わる25分くらいで5v5の集団戦が起きたとき、自分は何をすべきか。

 

 この場合、敵のサイオンは育っているのでアイテムビルドは進んでいるでしょう。対するエズリアル(自分)は後半型のキャリーで25分くらいの時間帯ではようやくコアアイテムが完成したくらいの時間です。サイオンが堅実に防具を積んでいても、タイタンハイドラのような攻防一体のアイテムを持っていても、おそらく倒す前にやられてしまうでしょう。その場合、自分はサイオンから逃げる必要があります。

 ここで重要なのは逃げるだけではその時点で最もゲーム内で影響力のあるサイオンを野放しにするわけですから、当然チームは潰走し逃げきれれば御の字、悪ければキルもオブジェクトも取られるでしょう。そこで機動力を生かしつつサイオンから逃げ、敵のキャリーの一人でありながらまだ腐ったままのジグスを落とすようなプレイが必要です。もしそのまま逃げてキルやオブジェクトが取られればジグスも息を吹き返し始めます。このようにしてカムバックを許した際に味方のmidが言う発言が「自分はレーンで勝っていたのに」云々というものになります。よく見ますよね笑

 基本的に敵のtankは狙いませんが、終盤自身の装備も揃ってある程度時間があれば落とし切れるとき、敵のダメージ源が追いついていないときにはtankを集中砲火することも重要です。

 

 もちろん、一概には言えません。この例の場合ジャングラーについては触れていませんし、味方のピール意識次第では先にサイオンを落とした方がいいこともあります。今回はそういったさらに細かい事情の前に前提を考えていこうと思います。

 

2.敵の誰がダメージを出しているのか

 これも先ほどの例を用いて解説しましょう。ジグスと対面のADCはそれほどダメージを出せない状況で、サイオンだけが自分に致死量のダメージを与えられるならば、先にサイオンを落とす必要があります。もちろん、1で解説したように倒し切れないのならば逃げます。

 しかし、ここでサイオンはそれほど育っていないがジグスはハードキャリーをしているような状況だったとしましょう。この場合サイオンに構っている間にジグスに後ろから爆弾を投げつけられるだけでこちらは絶対に勝てなくなります。

 ここで重要なのはジグスを倒すか倒さないか、ではなく自分が生きるか死ぬかです。ソロキューでは自分が死んだらゲームは終わったものと思う必要があります。なのでまずはまずまずのtankであるサイオンとダメージが豊富なジグスを相手に生き残れるのかということで、生き残れるならば次に判断するのはジグスを倒せるかどうかです。

 フローチャートのようですが、生き残れるか?→Yes→キャリーを倒せるか?→Yes→その後tankを倒せるか?というように最も重要な前提から細かい判断をしていくための基礎的な情報となるのがこの相手のダメージ源を見極める、ということです。

 

3.自分をキャッチできる敵のスキルはいくつあるのか

 キャッチとは、集団戦の開始(イニシエート)に対して自分が相手に最初に捕まってしまうこと、或いは集団戦の中でスタンやスネアなどの行動妨害で自分の立ち位置をリセットできなくなってしまうことです。

 ADCは最もダメージを出すことができるロールではありますが、反面最も撃たれ弱いロールでもあります。終盤の5v5の集団戦で敵のスレッシュにフックされようものなら試合はその時点で決してしまいます。良くも悪くも勝敗に絡めるロールともいえるでしょうが笑

 

 ここで重要なのは相手のキャッチスキル(スタン、スネア、サプレッション、ノックアップetc...サイレンスやスローなども場合によってはキャッチスキルといえます。)がいくつありCDはどのくらいなのか、ということです。

 

 例えば、相手の目立つキャッチできるスキルがtopのマオカイのW(スネア)のみだとしましょう。それならば、それにさえ気を付けていれば自分が真っ先に死ぬことはありません。相手が別の味方に使ったのを見てから入るか、使える距離に行かないことで対処可能です。

 しかし相手のjgがワーウィックでmidがマルザハール、topがノーチラスであったならばどうでしょう。このような場合はもうADCとしてはお手上げとしか言いようがありません。強力なサプレッションという数少ないスキルを持つchampionが2人、さらにスネア、フック、スロー、スタン、打ち上げとCCの塊のようなノーチラス。避けるべきスキルは7,8個は優にあります。

 

 もちろんシルバーサッシュを買うとか、ミカエルをサポートに使ってもらうといった対処はできますが、厳しいことには変わりありません。ここで重要なのがやはり相手のスキルCDを知っておくことです。相手のCCがどの程度で上がるのかを知っていれば自分以外に使った後にその間はそのスキルのことを考える必要がないからです。

 

 総括すれば、自分を殺しうる決定的なCCを避け、相手のダメージ源に継続的なダメージを与えることがADCの役割といえるでしょう。当たり前のことだと思うかもしれませんが、この当たり前ができていない人はたくさんいます。上に書いたような基礎をわかっていない人もいるでしょう。そういった方々の一助になれば幸いです。

 

 希望があれば、他ロールについても書いてみたいと思います。

パッチ6.22 シーズン7プレ 雑感

 そろそろ次のパッチも当たろうかというところですが、プレシーズンの変更について気になった点・抑えておきたい点をピックアップしてみます。

 

・ステルスの変更

 これまでステルスという効果をもたらすスキルは全てビジョンワードによって看破することができました(かつては赤トリンケットでもできました…)。しかし今回のステルスの仕様変更により、ステルスは「カモフラージュ」と「インビジブル」という二つの種類に分かれることになりました。

 

 これまで短時間のステルスはpinkを置くことで全くの無力となっていましたが、今回の変更で「インビジブル」に振り分けられた短時間のステルスはタワーの可視効果以外では見破ることができなくなりました(これまでの赤トリンケットによる位置の可視化は有効)。大きな影響を受けるのはアカリのWやカ=ジックスのult、ヴェインのultなどです。元々彼らは1v1に非常に強いスキルセットを持っていますが、相手がpinkを持っていればその影響力は小さくなっていました。しかしこのアップデートで1v1で彼らを倒すのは非常に難しくなったと言えます。

 

 

・「物理防御貫通」システムの変更

 

 物理防御貫通(ARpen)をもたらすアイテムやルーン、マスタリーは全て「脅威」という新しいステータスに置き換わり、新たな計算式が適用されることになりました。具体的には物理防御貫通には固定値と敵のレベルによる流動値が適用されるため、これによりスノーボール性能は下がり、劣勢時にダメージを出しづらい傾向が軽減されたと言えます。これに伴い関連アイテムは大きく変更されたものもあります。

 

 アサシンアップデートとはいえ、アサシンを強化しすぎた場合に容易に想像できるアサシンオブレジェンズを防ぐための対策なのでしょうが、現状ではそれ以上に壊れたシステム(後述)のせいでアップデートされたアサシンたちは虫の息になっています。

 

 

・スマイトのチャージ時間延長、モンスターキャンプのリポップ時間増加、ラプター・クルーグの増加

 

 これらはすべてジャングルに関わる変更です。スマイトをキャンプに使用することで得られるバフが削除された代わりにすべてのキャンプに対して使用時にヘルス回復をもたらすようになりましたが、チャージ時間の延長によりこれまでより周回が難しくなりました。ラプターやクルーグの数が増えた影響もありサステインの高いジャングラーが好まれる傾向があります。サステインが低くともハニーフルーツやリフトスカットルを上手く利用してヘルスを維持することが重要となっています。

 

 モンスターのリポップ時間が延長されたことも大きな変更と言えます。キャンプ一つあたりの価値が以前より上昇することになります。そのためカウンタージャングルを中核とする1v1に強いチャンピオンは非常に強いと言えます。

 

 

・エルダードラゴンのバフ時間増加

 

 これまでに比べて30秒伸びました。これまではバロンとエルダーの二択になった場合ほとんどの場合においてバロンが有利でしたが、エルダーを選択する価値は非常に高まったと言えます。

 

 

・マスタリーの変更

 

 今回最も争点となっているといっていいでしょう。まずは闘争本能ツリーから触れていきます。これまで「諸刃の剣」はつまみ食いと位置を争うとはいえ、上位プレイヤーであれば当たり前に採用していたマスタリーでした。今回ティアー4に移動し「圧政者の追撃」が削除されたため、ティアー4はほぼ諸刃の剣で決まるようになり、ティアー2でつまみ食いを取ることも可能になりました。

 また「戦いの律動」はAAではなくADを直接上げるようになりました。これによりAA主体のチャンピオンでなくても戦闘時間が長引く傾向のあるチャンピオンに選択肢が生まれたと言えます。これまでそういったチャンピオンは「雷帝の号令」以外の選択肢がなかったので、フレキシブルなキーストーンになったといえるでしょう。

 

 次に「歴戦の勇者」の削除と「巨人の勇気」の追加です。今パッチで最も猛威を振るっているといえるのがこのキーストーンですね。シーズン6のジャングルはほぼシーズンを通して歴戦の勇者を持つキャンプクリアの早いジャングラーがレベル先行と高いヘルスでゲームを支配するメタでした。ほとんど一択のマスタリーとなってしまったため削除に至りました。

 代わりに追加された「巨人の勇気」はCCを敵にヒットさせると自身の最大体力に応じたシールドを展開するものですが、周囲の敵チャンピオン数にも依存するため、最大で42%のシールドを4秒獲得することになります。これは相当なもので、序盤のタワーダイブはもちろん終盤においても強引なイニシエートを成功させることができるキャリーにとっては悪夢のようなキーストーンと言えます。

 すでにナーフが決まっていますが、個人的には効果時間を3秒に、シールドの反映率は最大体力の5%(最大で30%)くらいにすればちょうどいいのではないかと思います。

 

 

 こんなところですね。間もなく次のパッチが当たると思うので、その後また別記事を書こうと思います。

2016 League of Legends World Championship Final SKTelecom T1 vs Samsung Galaxy

 ついに残すところあと一試合で今年の世界王者が決定します。日本時間では10月30日(日)の午前8時からオープニングセレモニーが行われ、その後試合開始となります。

 

 二年連続で韓国勢同士の決勝であり、またすでに四年連続の韓国勢の優勝が確定している今大会。グループステージではNAとEUの1位がまさかの敗退、台湾勢も2チーム共にKnockout Stageに残った昨年からは凋落しました。最高のメンバーを揃えて臨んだ中国第一第二シードも最強地域韓国の前に敗れました。一方でワイルドカード地域のチームが史上初のKnockout Stage進出を果たすなど波乱続きの大会でした。

 

 決勝のカードは昨年の世界王者にして三度目の栄冠を狙うSKT T1とSeason4を制した後チームが完全に白紙になり名前以外は残っていないため事実上初の王冠を狙うSSGの対決になります。両チームをデータの観点から詳しく見ていきたいと思います。データは両チームのメンバーが固まった時期とメタの観点から今年のみを参照します。

 

◎両チームのマッチアップ

LCK 2016 Spring

・SKT T1(12-6 3位) Playoffs 1st(against ROX 3-1)

・SSG(10-8 6位)

対戦成績 2-0(SKT)

 

LCK 2016 Summer

・SKT T1(13-5 2位)Playoffs 3rd(against KT Roster 2-3)

・SSG(12-6 4位)Playoffs 4th(against KT Roster 0-3)

対戦成績 2-0(SKT)

 

 まず対戦成績のデータですが、今年はLCKの通常期間に4度対戦したのみでPlayoffsなどでは一度も対戦していません。その結果は全てSKTが勝利しています。

 韓国のリーグLCKの通常期間の対戦はBo3(ベストオブスリー、2ゲーム先取したほうが勝ち)ですが、この4度の対戦でSSGは1度だけSKTからセットを取っています。Spring SplitのWeek12第7試合でSSGは1セットをSKTに対して取りましたが、それ以外は2-0のため、今年の両チームの対戦成績はセットで表すと8-1(SKT)ということになります。

 

youtu.be

 こちらが今年SSGが唯一SKTに勝利した試合の様子です。Game1を取るも二連取されて結局負けてしまいました。半年ほど前のメタなので今とは様子が全く違うためP/Bの面では参考になりませんが、この試合ではSSG AmbitionがSKT Fakerに対して序盤から圧力をかけ、結果キルを獲得してからドラゴンやリフトヘラルドを獲得し、タワーにつなげていくという分かりやすい展開になっています。韓国LoLらしい詰将棋のように序盤に得たわずかな有利を徐々に広げていくスタイルを安定して行うことができています。SKTはFakerがスーパーアグレッシブであることやそもそもCarryされると困るので狙い撃ちされることが多いのですが、そのようになっても耐えて僅かなチャンスで逆転することができるほど優れたチームです。しかしこの試合ではそれをさせずにSSGが勝ち切っています。

 JunglerがBlankでありFakerへのフォローが薄かったことやSKT側はNidaleeやJayceといった集団戦に不向きな構成であったことなどを差し引いてもSSGはよいゲームメイクができています。この試合でのキーマンはやはりAmbition、そしてCuVeeでした。この二人が序盤から有利を得て、それを生かすように動ければ勝つこともできるでしょう。

 多くの人々(プロ選手やコーチ、アナリストなど含め)SKT有利と踏んでいます。実際私もそう思いますが、このような勝ち方を今年に入って見せている以上は、可能性はあると考えます。

 

◎Teams

・SKT T1

 Season3とSeason5の世界王者にして、LoL史を語るうえで欠かせない言わずと知れた最強のチーム。Season3当時、韓国LoLシーンではまだチーム自体が少なく姉妹チームが多く存在していた(後に同じ運営母体が複数のチームを同じリーグに所有することは禁じられた)。現在のSKT T1と同一視されているのはSKT T1 2という後発チームであった。SKT T1の本チームはBangやWolfなどプロ経験のある選手が多く在籍していたが、2は当時無名だったBengiやFakerを含めほとんどキャリアのない選手のみで構成されていた。しかし夏シーズンにあのFaker vs Ryuの試合を経て国内初タイトルを獲得しそのまま世界を制した。

 Season4に入ると一転してチームは低迷し、その年の韓国シーンを席巻したSamsungの2チームに対して手も足も出なかった。オフシーズンに3人の優勝メンバーを放出し、さらに協定が変更されSKT T1が1つのチームとなることを余儀なくされた。

 Season5以降は新しいメンバーで韓国シーンを再び圧倒し始め、国内タイトル連取と二度目の世界王者に輝いた。しかし初開催となったMSIでは惜しくも準優勝に終わった。

 オフシーズンにWorldsMVPに輝いた司令塔のMaRinやスーパーサブmidとして活躍したEasyhoonらを放出し、弱体化が懸念された。事実Season6では新たにPeanutをJungleに迎えたROXに圧倒されがちな時期が続いたが、Springを勝ちMSI初優勝を果たした。今夏はKTに敗れSeason4以来のLCK決勝を逃したが、Worldsでは危なげなく勝ち進み、最大のライバルROXをも打倒した。三度目の王座まであと一歩だ。

 

Samsung Galaxy

 元々はMVP Ozoneというチーム名で韓国プロシーンの黎明期から存在するチームであり、その後Samsung OzoneSamsung Galaxyという様に名前を変えてきた。Season4で姉妹チームのWhiteとBlueが国内を圧倒し、そのまま世界を制覇した様子は韓国という地域がLoLにおいて最強地域と決定づけられた瞬間でもあった。

 Season4を優勝したのち、2つの姉妹チームに所属していた韓国のトッププレイヤーたちは中国へと移籍した。その後の最初のシーズンはスターターのうち4人がLCK初挑戦となり、入れ替え戦行きを余儀なくされる昨シーズン優勝チームの無残な姿をファンは目撃することとなった。しかし入れ替え戦で勝利してからは2015夏はチャレンジャークラスから下位のチームが参加してきたこともあり可もなく不可もないシーズンを過ごした。転機が訪れたのはオフシーズン中で、CJ EntusからスタープレイヤーであったAmbitionを、NAの強豪Team DignitasからCoreJJを獲得した。

 それからSSGは徐々に頭角を表し始め、夏の序盤には一時的にではあるがリーグ首位にも立った。その後はROXやSKTといった強豪の後塵を拝したが、Regional FinalでKTをフルセットで破り組織として二度目のWorlds出場を果たした。

 配置されたグループDは彼らからみればそれほど難しい山ではなかったし、Knockout Stageも非常に運がよく、同郷韓国や中国の強豪とBo5を一切戦うことなく決勝までやってきた。大舞台の経験も少ない彼らが王者SKTに対してどのような戦いを見せるのか注目だ。

 

◎Players

・SKT T1

Top Lee "Duke" Ho-Seong

 昨年まではかつて韓国の強豪チームであったNajin e-mfireでプレイしていたがチームが解散したためフリーに。その後topを探していたSKTに合流し今年からスターターとなる。Split Pushが得意な選手で、春はPoppyやMaokai,Fioraなどを多用し、夏以降はTrundle,Gnar,Ekkoなどを多く使っていた。1vs1に非常に強く、実際LCKのtop lanerで彼と対等に渡り合えるのはROXのSmebとKTのSsumdayくらいだろう。SSG CuVee自身もDukeからソロキルは取れないだろうとインタビューで語っていた。

 今大会でもトップメタのJayceを除けばTrundle,Ekko,Poppy,Gnarと得意championを多用している。しかしながらJayceのようにスタイルからはずれたchampionでも卒なくこなす器用さがあり、自らがCarryするタイプではないが全時間帯に隙のないプレイをする試合巧者だ。

 

Jungle Bae "Bengi" Seong-ung

 準決勝で奇跡の逆転劇を起こした張本人であるが、今年はサブに回ることが多かったため知らなかった人も多いだろう。その実Season3と5で優勝を果たし、Faker以外で唯一二冠を獲得しているプレイヤーである。SKTが創設された2013年頃からプロキャリアをスタートし、それ以来SKT以外のチームに所属したことは一度もない。プロ初年度でSeason3制覇、Season4での凋落、そしてSeason5での復活とSKTの歴史は常に彼と共にあったと言っていい。

 プレイスタイルはズバリFakerをCarryさせること。というのは言い過ぎであるが、古き良きJunglerらしくレーンへのプレッシャーと敵Junglerへのプレッシャーを均等にかけつつ徐々にマップコントロールを広げていく堅実なものだ。今年は初めからNidaleeやGraves,Kindredといった自らがCarryするタイプのJunglerが流行したためメタに適応できずサブに回ることが多かった。得意championはRek'Sai,Elise,Gragasなどユーティリティに優れ序盤からGank能力の高いJungleを多用する。その一方準決勝で見せたキャリア初のNidaleeなどポテンシャルも底知れない。SSGのJungler Ambitionも同じくらい古参のプレイヤーでチームの中心であるため、このJungler対決を制したほうが今年の世界を獲ると言っても過言ではない。

 

Jungle Kang "Blank" Sun-gu

 今年SKTのスターターを務めていた若き新星。Nidaleeを始めとしたCarry Jungleメタで頭角を表し不調だったBengiの代わりにスターターとなった。今年3月に行われたIEM Worldsで彼をスターターとして優勝してからはその座が定着し、MSIでも優勝を飾った。しかし当初から浮き沈みの激しさは問題点として指摘されており、調子のいいときは敵なしだが悪いときは敗北に自ら進んでいるかのようなプレイを見せることもしばしばある。特にJungleのメタが再びユーティリティ重視へと移りだした夏以降は顕著で、Bengiが緊急的に代役を務めることも多くなった。Worldsでも初戦やFWの二戦目など、そして準決勝ももちろんのことここぞという場面でははずされることも多くなってしまった。しかしJunglerが主導で試合を動かしていくメタはまだ続いているため、一概にBengiが良いとは言えない面もある。

 チームの方針もあり基本的にはメタに沿ったchampionを選ぶが、やはり得意なのはGravesやNidaleeといったSoloQ志向の強いchampionだ。NidaleeはBAN筆頭であり、Gravesなどはメタ外なため見ることはできないだろう。Bengiが調子を落とすようなことでもなければ決勝戦でも出番のない可能性は高いと思われる。

 

Mid Lee "Faker" Sang-hyeok

 言わずと知れたLoL界の魔王、Faker。今年は識者が選ぶ世界のTOP20プレイヤーで2位になり(1位はROX Smeb)、ROX戦後のインタビューではやはり自分が1番だったなどと冗談交じりに発言していた。

 Bengiと同じく彼もSKTから離れたことは一度もない。LoLを初めて半年で韓国1位になり、プロ入り。そのさらに半年後に世界王者になったと言えばその人気の理由もわかるというものだ。大舞台での神がかり的なプレイの数々はいつも全世界のファンを魅了してきた。

 今年は相棒であったBengiの代わりにBlankがJunglerとなり、思うようなプレイが出せないシーンも多く見られた。また、メタもmidがサポーティブな役割を求められることが増えてきたため彼本来のアグレッシブなCarryスタイルは身を潜めていた。今大会ではViktorやOrianna,Syndraなどユーティリティとパワーを持ち合わせたchampionを使用する機会も増え、Fakerらしい動きも多く見られる。反面最も得意とするZedやLeBlancといったアサシンはメタからはずれて久しいため中々見ることはできなくなってしまった。

 専用機と称されたRyzeもリメイク以後はプレイしていない。他の選手はそこそこ使用しているようだが、決勝戦で見ることはできるだろうか。

 

ADC Bae "Bang" Jun-sik

 韓国はADCがあまり強くない地域などと揶揄される中で、世界最高峰のADCの一人に数えられる選手。そのように揶揄される理由としては、韓国のADCが非常に堅実なためアグレッシブで華のあるプレイがあまり見られないことが原因の一つとされている。その例に漏れずBangもレーン戦からレイトゲームまで常に安全圏から確実にダメージを出し続けることを得意としている。

 死なないことが求められるADCにおいてその力を如何なく発揮しており、昨年のWorlds GroupStageではKDA71(桁間違えてません笑)を記録するなど非常に優れたプレイヤーである。Ezreal,Sivir,Asheといったユーティリティに優れたchampionを好み、実際今大会ではEzrealを最も多くプレイしている。LucianなどのアグレッシブなADCがメタにいないことは彼にとっては追い風と言えるだろう。

 Kalistaの名手としても知られていたが、彼女自体が今どん底にいるためもう見ることはないだろう。スキンまで作ったのに…RIP.

 

Support Lee "Wolf" Jae-wan

 SKTの癒しことWolf。彼の丸々とした体形と柔和な笑みには多くのファンが癒されている。昨年のSKTは無敵のスター軍団だったが、唯一彼が油断したり波に乗れないときに危うくなることがありチームの弱点と言われることもあった。今年に入ってからはBlankのほうがより好不調の波が激しいためあまりやり玉に挙げられることはなくなったが、やはり危なっかしい場面も少なくない。実際準決勝ROX戦でROXは彼を集中的にフォーカスすることで有利を作りGame2とGame3を制した。

 得意championはAlistarで、彼の昨年の優勝スキンもAlistarだ。今年のLCKでも98試合中31試合でAlistarを使用している。今年に入って度重なるnerfを受けているがそれでも安定的にpickと見ているようだ。今大会全体で見ればAlistarは非常に強いPick(23Game 65%win)であるが、チームの方針もあってかKarmaやZyraといったユーティリティに優れたメイジタイプのSupportを多くプレイしている。

 また、最近のプロシーンでNamiを最初に使いだしたプレイヤーでもあり、今年もし優勝すれば彼のスキンはNamiになるのではないかと囁かれている。

 

Samsung Galaxy

Top Lee "CuVee" Seong-jin

 Season4を優勝したSamsung Galaxy Whiteとその姉妹チームBlueに所属していた国内のトッププレイヤーたちのほとんどが中国へと旅立ち、チームは再編を余儀なくされた。その時に新人として加入したのがこのCuVeeだ。プレイスタイルとしては韓国トップレーナーらしい1v1に強い性質を生かしたSplit Pushを得意としている。今大会でもEkkoやPoppyなどといった得意なchampionは健在だ。しかしKennenやRumbleといったチームに求められるpickにも柔軟な対応を見せており、ポテンシャルの高さを感じるデータとなっている。

 プロになりたての頃はチーム自体が新人の寄せ集めとなってしまったことで負け続きで苦しい時期が続いた。最初のシーズンは勝率20%とひどく低迷しメンバー共々非常に悩んだという。しかし今の彼は世界王者という王冠が手の届くところにある。たゆまぬ日々の努力の結果といえるだろう。

 

Jungle Kang "Ambition" Chan-yong

 韓国LoLシーンの黎明期からトッププレイヤーとして活躍し続けてきた大ベテラン。キャリア始まって以来プレイし続けていたCJ Entusを離れ、今年新天地として選んだのがこのSSGだ。元々はmid lanerであったがJungleへと転向をしている。現在のSSGは彼を中心に試合が動くのが常であり、Jungleからゲームメイクをしていく現在のメタとは非常にマッチしているといえる。

 彼自身はRek'SaiやSkarnerといったピックアップ能力と序盤に優れたchampionを好むが、チームに求められる役割やトップメタのchampionなどもなんなく使いこなす超技巧派プレイヤーでもある。今大会未だ1セットしか落としていないSSGの中核としてチームを優勝まで導くことができるだろうか。

 

Mid Lee "Crown" Min-ho

 ブラジルからキャリアをスタートさせた異色の経歴を持つ選手。2015年の夏よりチームに加入しmid lanerを務める。彼はどちらかといえばユーティリティの高いmid lanerを好んで使う傾向があり、VladmirやLulu,Lissandraなどがメタの際には非常に高いマップ支配率を誇る。

 中でもViktorは特に好んで使うchampionであり、これまでSSGでプレイした3シーズンで常にpick率1位である。今大会でも最多の5試合でpickしており、未だ全勝である。他にもVarus,Ryze,Cassiopeiaなどを使用しており、champion poolはFakerと非常に似通った点が多い。

 Junglerが両チームともに世界最高峰のプレイヤーであるが、Midに関してはFakerのほうが圧倒的にキャリアも実力もあると言っていい。Crownが粘り強くFakerを抑えつけることができれば、SSGの光明となるだろう。

 

ADC Park "Ruler" Jae-hyuk

 今年の夏から加入した最も新しいメンバー。それ以前の経歴はほとんどなく、実質プロになってから半年ほどしか経っていない。状況的にはかつてのFakerやBengiに似ている節もあるといえるかもしれない。

 データが少なくあまり統計的に正しいとはいえないが、SivirやAshe,Jhinといった夏シーズンのメタであったchampionを卒なくこなしている。元々ADCはchampion数が少ないこともあるが、これまでキャリアで8体しかプレイしたことがなく、引き出しは未知数と言えるだろう。

 CuVeeやAmbitionの陰に隠れがちではあるが、彼が死なずに地道にダメージを出し続ける韓国ADCらしいスタイルを取っているからこそチームはこれまでWorldsを勝ち進んでこれたことは間違いない。似たスタイルのBangとどのように相対するかは見どころの一つだ。

 

Support Jo "CoreJJ" Yong-in

 2015年には北米の強豪Team Dignitasに所属していた選手。その後韓国へと帰国し、SSGに加わった。Dignitas、そして今年の春シーズンではADCとしてプレイしていたが、Rulerが加入したことでSupportへとポジションを移した。しかしLCKではスターターはWraithであったため夏シーズンは出場機会に恵まれることはなかった。

 しかしWraithはPlayoffs、そしてRegional QualifiersのAFS戦Game1を落としてしまい、CoreJJと交代することとなった。それ以降は彼がスターターを務め、順調にここまで勝ち上がってきた。

 Supportに転向してからのデータは非常に少ないが、今大会ではZyraやKarmaといったメタchampionはもちろん、Tahm Kenchという今大会あまり流行していないSupportを多用している特徴がある。またROX GorillAが対SKTの秘策として用いたSupport Miss Fortuneを翌日に使用するなど非常に柔軟なスタイルを持っている。

 

Support Kwon "Wraith" Ji-min

 再編されたSSGの初期メンバーのうち、唯一新人選手ではなかったプレイヤーがこのWraithだ。ahq KoreaやJAGなどを渡り歩き、一時的にではあるがPoohManDuの代役選手としてSKT T1 Kに所属した経験を持つ(SKT T1 Kにオリジナル以外のメンバーで所属経験のある選手は彼ただ一人である)。

 前述のとおり、長らくSSGを支えてきたが夏シーズンの終盤で調子を落とし、CoreJJにスターターの座を奪われてしまった。スタイルとしてはAlistarやBraumといったpeelに優れたtankを好んで使用している。そのため現在のZyraやKarmaを中心としたMageタイプのchampionが性に合わないことも一つサブに回っている理由と言えるかもしれない。今大会二度だけ出場しているが、Namiで1勝、そして得意のAlistarでチームに唯一の敗北をもたらしてしまった。

 短期間とはいえ対戦相手であるSKTは古巣のチームだ。BengiやFakerと、それにコーチのkkomaやPoohManDuとももちろん親交がある。決勝戦にはサブとして登録されているが、経過次第では彼が出場する可能性も十分にあるだろう。

 

◎両チームのポイント

・SKT T1

 準決勝では奇跡の大逆転で宿敵ROXを破ったSKT。Blankの危なっかしいプレイングにファンは相当肝を冷やしたことだろう。Bengiが加わる以上活躍を見せたとはいえ、NidaleeなどのCarry Junglerは確実にBANを視野に入れていかなければならない。SSGとしてはその有利を生かそうとしてくるだろう。その分Fakerに対してBANを割いてくることが予想されるため、チームのカギはやはりFakerの成否にかかっていると言っていい。Fakerがこの土壇場でMaster Yi midのような隠し玉を出してくるとは考えづらいが、彼の非常に広いchampion poolからいかにしてチームを勝利に導くchampionをpickできるかといった点で、P/Bは非常に重要になることだろう。

 

・SSG

 実のところ、彼らは再編以降一度もLCKの決勝にすら立ったことがない。大舞台慣れしているとはいいがたい面もあり、メンタル面がまず懸念される。ここまでAmbitionが大黒柱となってチームをけん引してきたが、逆に言えば彼なしではSKTに太刀打ちすることはまず不可能と言っていい。SKTも戦術としてAmbitionにフォーカスを合わせてくることは予想の範疇と言えるので、上手く躱して逆にFakerに仕掛けることができれば有利に進めることができるだろう。CrownがmidでどれだけFakerの圧力を抑え込めるかも試合の展開には大きく展開すると思われる。

 

 

 最後に両チーム選手の準決勝後のインタビューを簡単にまとめておきます。

◎SKT T1

・Faker

 Bengiが出て彼の調子が良ければチーム全体が活気づくし、勢いが出る。今日はその勢いに乗ることができたと思う。自分のパフォーマンスもよかったし、やはり自分がNo1プレイヤーではないか(参考:http://www.lolesports.com/en_US/featured/top2016

)?(笑)今日は決勝に臨むくらいの気持ちでプレイしたし、結果勝ててよかった。

・Bengi

 ファンの皆様に挨拶できるのは(長らくサブプレイヤーだっただめ)久しぶりのことだ。1試合目は自分のプレイが上手く行かずBlankと交代することになった。4試合目に再び出場することになったのは、これが最後の試合になるかもしれなかったからだ。だからコーチがチャンスをくれた。Nidaleeがオープンになってしまったのはコーチのミスだったが、(ROX Jungler)Peanut選手はNidaleeの扱いに長けているので渡すわけにはいかず、プレイすることになった。少しの幸運も手伝って上手く行ってよかった。

 

◎SSG

・Crown

 H2kが序盤非常に強力であることはわかっていたので耐えて中盤以降に攻勢を仕掛ける作戦だったが上手くいったと思う。決勝戦に行けるというのは夢のようなことだが、精いっぱい頑張りたい。Faker選手を倒さなければ、優勝することができないだろうから自分にとっての決勝戦の目標はこれに尽きると思う。

・CuVee

 正直決勝に進めるということに違和感を感じるほどだ。LCKの決勝に進出したこともないのに(笑)今日のプレイは上手くいったと感じているが、(SKT Top)Duke選手相手は正直難しいと感じている。運が良ければSKTに勝つことができるかもしれない、程度に考えている(笑)気負わずいつも通りのプレイをするよう心掛けるつもりでいる。

 

 

だいぶ長い記事になってしまいました。試合まで残り三日です。皆さんも今年の世界王者の誕生を目の当たりにしましょう!10月30日午前8時半より試合開始です!

Worlds 2016 Best4 Teams Samsung Galaxy VS H2k-Gaming

残りの2チームです。同組織としては史上2チーム目となるWorlds二つ目のタイトルを狙うSSGとSeason1以来のサモナーズカップを狙うH2kを見ていきます。

 

Samsung Galaxy(GroupD 1st)

Group Stage 5-1(RNG 2-0,TSM 1-1, SPY2-0)

Knockout Stage Quarterfinals vs Cloud9 3-0

 

注目選手とPick

Cuvee - Rumble,Kennen

CuveeはここまでRumbleとKennenを3試合ずつ使用している。Kennenは3戦全勝でRumbleは2勝1敗だ。4チームの中でここまで最も落とした試合数が少ないチームでもある(グループステージにおいてTSMに対し1戦落としたのみ)。とはいえグループステージは比較的楽な組み合わせであり、Knockout Stageも楽な山に入ったことが要因の一つとはいえるだろう。彼はこのほかにEkkoとPoppyを使用しているが、チームが彼に求める役割はイコライザーや雷撃の大嵐によるハードエンゲージのようだ。JungleのAmbitionがSkarnerやRek'Saiといったピックアップを得意とするchampionを好んでいるが故の傾向と思われる。

 

Ambition - Rek'Sai,Skarner

彼はこの2championを主軸としている。他にはOlafと一度だけEliseを使用しているが、Eliseは唯一の敗戦だ。Rek'Saiは彼がmid lanerからJunglerに転向したちょうどその頃に実装されたchampionで、完全なメインチャンピオンだ。しかしRek'SaiをBANしてもSkarnerが控え、またOlafを初めまだまだ彼のchampionプールは広い。そのためほとんどターゲットBANされることはない。彼が中心となってチームが動いていることは明白であり、現在のJungleから試合を作り上げるメタに非常にマッチしているからこその夏以降のチームの飛躍だと言える。(余談ではあるが日本のプロチームDetnatioN Focus MeのJungler DayDreamはCJ Entus Blaze時代のチームメイトであり、共に世界規模の大会で優勝した経験を持つ)

 

 

 

◎H2k-Gaming(GroupC 1st)

Group Stage 5-2(タイブレーク勝利,EDG 2-1,AHQ 1-1,INTZ 2-0)

Knockout Stage Quarterfinals vs Albus NoX Luna 3-0

 

注目選手とPick

Ryu - Vladmir,Cassiopeia

ユーティリティに優れたこの2championを選択する傾向が強い。他にはSyndraとRyzeがありこれも似た傾向だ。後述するFORG1VENが十分に暴れられる環境を作るためにチーム方針としての選択のように思える。彼自身はアグレッシブが売りのプレイヤーなので物足りなさを感じているかもしれないが、結果としてチームは勝利しているので今後もまず間違いなくこのスタイルで来るだろう。SSGを倒し、SKTが決勝に来れば"世界で最も再生されたLoL動画のやられ役"という汚名を返上できるかもしれない。

 

FORG1VEN - Caitlyn

彼はもともとLucianなどのアグレッシブで操作量の多いADCを得意としており、実際今大会でも2勝をあげている。。しかし彼の特筆すべき点はそれに限らずCaitlynのようなセーフティなADCに関しても同じくらいのパフォーマンスを安定的に出すことができるということだ。Caitlynを5試合でPickし、KDA11超えを記録しておりその腕の確かさが見て取れる。これまでDoubleliftやRekklesに隠れてきたが、現在LCS地域のADCの中で総合的なスキルは彼が一番だと感じる。RyuをサポーティブにさせるほどのCarryを見せる彼が韓国チームを破りチームと自分の実力を世界に証明するのも最早夢ではないところまできている。

 

 

ざっとですがこんな感じです。SKTのファンなのでSKTにぜひ優勝してほしいですが、ROXも好きだしH2kのドリームも見てみたいという気持ちがあり中々迷うところです…

Worlds 2016 Best4 Teams SKTelecom T1 VS ROX Tigers

WCS 2016も残すところ4チーム、残り3試合となりました。今年の頂点に輝くのは一体どのチームか。三度目の栄冠を狙うSKTとSKTに辛酸を舐めさせられ続けてきたROXについて詳しく見ていきます。

 

◎SKTelecom T1(GroupB 1st)

Group Stage 5-1(C9 2-0,IM 2-0,FW1-1)

Knockout Stage Quarterfinals vs Royal Never Give Up 3-1

 

注目選手とPick

Faker - Varus,Syndra

どちらもグループステージ・ノックアウトステージ共に一度ずつpickされている。Syndraはなんとここまでの64試合中62試合でP/Bされている非常に強力なpickなので不思議ではない。しかしFakerはもともとSoloQ Kingであり、Syndraは常にSoloQでは強力なpickであるためアサシンを得意とする彼には珍しいmage系の持ちchampであるためSKTはSyndraがオープンだった場合必ず最初に取り、どちらも勝利している。

Varusは5回pickされているがそのうち2回はFakerによるものだ。そして2勝している。最初に見せたIM戦ではDukeのJayce,BangのCaitlynと共にPokeでsiegeしていく試合展開が見られた。次のQFにおける対RNG2戦目ではKennenやZacといった強力なAP主体の前衛に合わせる形でpickされている。第一試合を安定的な構成同士で戦い勝利したRNGはこの試合で流れを崩されてそのまま負けてしまった。FakerのChampionプールの広さにより構成を大きく変えたことが勝因となったといえる。

彼はこれまでもMaster YiやOlafをmidで使用するなど非常に奇抜なpickを見せており、底知れないChampionプールにはまだ秘策が眠っていそうだ。

 

Bengi/Blank - Olaf/Lee Sin

これまでの10試合でSKTのJungleはOlafが大きな割合を占めている。(Olaf4Lee2Elise2Nid1Zac1)

そのうちBengiはグループステージ最初のC9戦と最後のFW戦、そしてQF初戦に登場したがElise,Olaf,Leeとまとまりのないpickだ。一方BlankはOlafを3試合にその他得意のNidalee、隠し玉のZacなどを用意していた。準決勝の相手ROXのJungler Peanutは非常に早い試合展開を得意としており、リアクションで競り勝つBengiのスタイルでは追いつけないと予想されるためBlankをスターター起用するだろう。現状世界最高の攻撃的JunglerであるPeanutにBlankはどれだけ対抗できるかが勝負の分かれ目になると思われる。

 

 

 

◎ROX Tigers(GroupA 1st)

Group Stage 5-2(タイブレーク勝利,ANX 2-1,CLG 1-1,G2 2-0)

Knockout Stage Quarterfinals vs EDward Gaming 3-1

 

注目選手とPick

Peanut - LeeSin/Elise

Peanutが現在世界最高のJunglerの一人であることは疑いようもない。プロとしてのキャリアはほぼ今年からであるにも関わらず瞬く間にROXの世界最高峰のチームとしての実力と実績の中心となった。

2016年前半のKindred/Graves/Nidaleeらが席巻したCarry Jungleメタを得意とし、現在のWorldsのメタもJungleから試合が作られていくタイプのため彼には追い風となっている。しかし彼の最大の長所はそれだけではなく、メタに対して柔軟に対応できる点だ。

同じくKindredやNidaleeを得意とし頭角を表したSKTのBlankは反面EliseやLeesinなどの扱いには少々不安が残る。しかしPeanutはこれらのChampionも完璧に使いこなせている。春から確実に成長しているのが見て取れる。

今大会において特筆すべきはここまでJungle Pick率1位のOlafを1度しか使用していない点だ。Olafの特徴はピックアップされづらく安定的であることだが、彼は安定を求めていない。LeeSinやEliseで積極的に敵チームに圧力をかけるプレイが彼の信条であり、それが世界最高のJunglerたる所以だ。

 

PraY - Ezreal

ここまでの試合で彼はCaitlynやJhinを多くPickしている。今大会ADCの中心的なメタであり安定的だ。しかし彼はディフェンシブ指向の韓国ADCの中でもひと際目立つCarryタイプのADCだ。本来はLucianはEzrealを得意としている。今大会ではメタから少しはずれているためあまり見られないが、ANX戦ではLucianとEzrealが登場し彼らしいアグレッシブなプレイが見られた。現在のメタと作戦上JungleのPeanutがbotに圧力をかけるシーンはあまりないため彼が中心となってCarryする様子は今後も見られないかもしれないが、彼が伸び伸びと戦える環境が整えばその時PraYと戦えるADCは世界にほとんどいないだろう。

 

 

 

ざっとですが書いてみました。SSG H2Kについてはまた次回。

WCS出場チーム紹介グループD

最後です。地味に大変でしたw

 

・Team SoloMid(NA LCS 1st Seed,NA LCS 2016 Summer Champion)

TSMは世界で最も古いLoLのプロチームだ。NA LCSでは幾度となく頂点に立ち、ライバルであるCLGと競い合ってきた。C9のような新しい強豪チームが現れても、メンバーが大きく入れ替わってもTSMというチームが北米地域で凋落したことは一度としてない。また世界で唯一、今大会で6度目の開催となるWorldsすべてに出場し続けているチームでもある。Dyrus,Reginald,Xpecial,TheOddOne,Chaox,WildTurtle,Lustboy,YellOwStaRなど既にチームを脱したメンバーだけでも世界最高クラスのプレイヤーが名を連ねている。現在もBjergsenやDoubleliftのようなスター選手を抱えており、LoL界のFCバルセロナ(もしくはレアル・マドリード?)などと揶揄されることもある。

しかし輝かしい北米地域での栄光とは裏腹に、世界の舞台では一転してどん底に落ちることでも知られている。北米で最も強いチームである彼らがグループステージすら突破できないようでは、これまで一度も世界一の栄冠をNAが掴んだことがないのも頷ける。

今年は春シーズン開始前にmid以外のすべてのRosterを変更する大きな賭けに出た。春は安定しない面もありMSI出場を逃したが夏は圧倒的なレコードでNA LCSを制した。6度目の正直で、今度こそ世界の頂点に立つことができるだろうか。

 

Roster

Top:Hauntzer Jungle:Svenskeren Mid:Bjergsen ADC:Doublelift Support:Biofrost

 

注目選手

Jungle Dennis "Svenskeren" Johnsen

かつてはEUの強豪チームSK Gamingに所属していた選手。2012年にプロ入りとプロ経験も豊富だがこれまで目立ったタイトルはない。昨年行われた2016春のEU LCSのPromotion SeriesでGamers2(現在のG2 esports)敗北しチームはCSに降格となった。その際に脱退したSantorinの後釜を探していたTSMにオファーされて加入した。

目立ったタイトルのないことからわかるように加入当初は平凡でこれといった特徴も長所もないプレイヤーだったが、ゆっくりと頭角を表し始めた。TankからCarryタイプまでなんでも使いこなす器用さと、HauntzerやBjergsen、Doubleliftといった優れたプレイヤーたちをサポートする立ち回りができることから彼のスタイルがかみ合えばチーム全体が爆発的な力を生み出すだろう。

 

Support:Vincent "Biofrost" Wang

TSMは今年初めに世界最高のSupportの一人として知られるYellOwStaRをFnaticから獲得したが、彼のプレイスタイルはTSMと全くかみ合わず1シーズンで脱退することとなってしまった。急遽行ったトライアウトで白羽の矢が立ったのがこのBiofrostである。彼はCSでプレイしていたことがあるがそれ以外にほとんど情報はなく、TSMのファンは皆一様に不安なシーズンの幕開けを心配していた。しかし蓋を開けてみれば連戦連勝で、特にBiofrostの活躍は目覚ましいものだった。瞬く間にNAのトップ選手の一人に仲間入りした彼が狙うのは世界の頂点に他ならない。往年の名プレイヤーだがちょっと先走りすぎるDoubleliftを上手くSupportすれば、その夢も夢ではなくなるかもしれない。

 

・Royal Never Give Up(LPL 2nd Seed,LPL 2016 Championship Point Runner)

RNGは形式上はSeason3,4にWCS決勝まで進出したStar Horn Royal Club(SHR)の姉妹チームということになる。しかしその成り立ちは非常に複雑で中国地域特有の金銭によるチーム売買が絡み合ってできたチームだった。現在大本であったSHRは中国二部リーグで戦っているが、RNGは今年に入りSeason4優勝経験者であるLooperとMataをチームに迎えると瞬く間にトップチームの一員となった。そのままの勢いでLPLを制しMSIに乗り込むとグループステージを8-2と圧倒。しかし結局決勝トーナメントでSKTに敗れてしまった。

夏には中国最高のADCと名高いUziを獲得(UziはかつてのSHRの中心メンバーで二度WCS決勝に進出している)し、さらなる強化を図ったが波に乗るEDGには勝てず夏シーズンは落としてしまった。

かなりのメンバーが揃っているが夏はEDGの後塵を拝したように弱点もある。そこを上手くカバーしていけるかどうかが今大会の課題となりそうだ。

 

Roster

Top:Looper Jungle:mlxg Mid:Xiaohu ADC:Uzi Support:Mata

 

注目選手

Top Jang "Looper" Hyeong-seok

Season4Worldsを圧倒的な力で制したSSWの元top laner。当時はKayle Singed Akali Alistar Kassadinなど彼の独自の理論から考えられたpickでtopを支配していた(SSW Singedスキンはその象徴である)。現在は概ねメタに沿ったpickが多く、韓国のトッププレイヤーにはSmebやSsumdayといった攻撃的なtop lanerが多い中で珍しく防御的思考の強い選手だ。とはいえplayoffではSingedを見せるなど彼らしさは健在だ。Mataと共に再び世界の頂点に立つことを彼は望んでいるだろう。

 

Support Cho "Mata" Se-hyoung

Looperと同じく元SSWのWorlds優勝経験者。しかも彼はSeason4のMVPでもある。彼ほどメカニクスに優れまたShot Call(試合中の戦術的指示を味方に出すこと)に長けたプレイヤーは世界中を探しても他にはいないだろうと言われるほどのプレイヤー。昨年中国に移籍してからは振るわなかったが、今年に入って再び世界の舞台に戻ってきた。彼の盤面を支配する力が真価を発揮できるチームメイトは揃っている。後は適切にそれを実行するだけだろう。

 

Samsung Galaxy

SSGはかつてWhiteとBlueという二つのチームが世界を席巻していた組織の大本である。前述のRNGに所属するLooperやMata、EDGのPawNやDeftといったスター選手を多く抱えていたがSeason5を迎える際にほとんどを中国に流出した。結果無名の選手や新人の選手ばかりで構成されたチームとなり、世界王者から一転して韓国でも下位のチームとなってしまった。

しかし昨年末に韓国シーンにおける大ベテランであるAmbitionを獲得するとチームは息を吹き返した。春シーズンはギリギリplayoffに進出するにとどまったが、夏シーズンでは序盤いい滑り出しで一時的には1位になるなど飛躍を見せた。その後playoffで負けたKT RosterをRegionalで破り再び世界の舞台に戻ってきた。

 

Roster

Top:CuVee Jungle:Ambition Mid:Crown ADC:Ruler Support:Wraith

 

注目選手

Jungle Kang "Ambition" Chan-yong

Ambitionは韓国のプロシーン黎明期から活躍する大ベテランである。過去には国内タイトルを獲得したこともあるが、これがWorlds初出場となる。SKTのスーパースターFakerが現れる以前まで、彼が韓国において最高のmid lanerと呼ばれていた。しかしFakerのデビュー戦で彼はFakerにソロキルを取られ、その座を明け渡した。その後チームの方針と自己意思によりJunglerへと転向するが、韓国地域の強豪だった自チームCJ Entusは徐々に他チームに抜かれ始め、Season5の終わりごろにチームを脱退し今に至る。彼がチームの中心であることは疑いようもなく、SSGの勝ち筋は常に彼が起点となっている。双肩にかかる重荷は大きいが、初の世界の舞台で存分にその力を示してほしい。

 

・Splyce(EU LCS 3rd Seed,2016 EU LCS Regional Winner)

Splyceは今年からEU LCSに参加した新興チームだ。参加当初はJungleのTrashy以外LCS経験者がいないほどであった。案の定春シーズンは苦戦しCS入れ替え戦にもつれ込むも辛くも残留を決める。すると夏シーズンは選手たちの努力の成果と大舞台での慣れが上手くかみ合ったのか程よい戦績でsplitを終え、playoffでも決勝まで進むなど大躍進を遂げた。その後Regionalを勝ち抜いてG2と同じく初めてLCSに参加し、そしてWCSへと駒を進めた。

 

Roster

Top:Wunder Jungle:Trashy Mid:Sencux ADC:Kobbe Support:Mikyx

 

注目選手

Mid Chres "Sencux" Laursen

今年が初のLCSとなるSencuxだが、春に比べて夏は概ね安定したプレイを見せていた。メタに柔軟に適応する姿勢が特に強く、安定性を重視しアウトプレイの少ない立ち回りが特徴的だ。しかしやるべきときにはやるというのも彼の持ち味であり、実際彼のここぞというときに出るアウトプレイにチームは何度も助けられてきた。彼が勝負どころを見誤らなければ、世界の舞台でも十分にチームを勝利に導けるだろう。

 

Coach Jakob "YamatoCannon" Mebdi

宇宙戦艦ヤマトの主砲「ヤマト砲」をサモナーネームにしてしまった愉快なSplyceのHead Coach。彼は昨年のWCSでゲストとしてアナリストデスクに招聘されていた。選手としてプレイした記録は少なく2012年から2013年にかけてCSやアマチュア大会などに出ていたことがある模様。彼のコーチとしての腕は確かであり、実際に弱小チームだったSplyceをWCS出場まで持ち上げた。その功績を称え2016EULCSSummerのベストコーチ賞に選出された。彼の考え出す巧みな戦術がSplyceに番狂わせを起こさせるのか期待したい。

 

やっと終わりました…おまけでちょっと今年の5大リーグの感想的なの書こうと思ったんですが疲れたのでやめますw

WCS出場チーム紹介 グループC

グループCです。すでにグループステージも折り返し間近ですが、一応記事内ではこれまでの試合結果等には触れずあくまで開会前の情報として書きます。

 

・Edward Gaming(LPL 1st Seed,LPL 2016 Summer Champion)

EDGは中国国内では常に最高クラスの成績を出し続けるトップチームだ。昨年のMSIではSKT T1を破り見事中国に初の世界タイトルをもたらした栄光あるチームとしても知られている。2015 Worldsでは中国チームはEDG以外グループステージで姿を消す中ノックアウトステージまで進出。しかし中国で最も人気のあるプロプレイヤーであるClearLoveや2014年のWorldsを席巻したSamsung GalaxyからPawNとDeftを揃えスターチームを結成したにも関わらず、準々決勝でFnaticにストレートで敗戦し、チャイナドリームは潰えた。

今春はRNGの台頭により国内タイトルを二期連続で逃したが、Summerを無敗で一位通過し、PlayoffではRNG相手にストレート勝ちで1st Seedを勝ち取った。今大会ではROXやSKTといった韓国の強豪を倒し、中国地域初のSummoner's Cupをもたらすことができるのだろうか。

 

Roster

Top:Mouse Jungle:ClearLove Mid:Scout ADC:Deft Support:Meiko

 

注目選手

Jungle Ming "ClearLove" Kai

EDGの中心選手にして最も古い中国人プロプレイヤーの一人。かつてはTeam WEに所属し同チームの全盛期に中心人物として活躍した。彼が国内外で手にした数々の栄冠は数えきれないほどにある。その後WE脱退を決意してEDGに入団。ファンのバッシングを受けながらも再び信用を勝ち取るに至る。大舞台の経験も豊富で今年で通算4度目のWCS出場となるなど、チームのプレイ精神両面での大黒柱と言える。

 

Mid Lee "Scout" Ye-chan

元々は昨年にSKTが練習生として獲得した韓国のチャレンジャープレイヤーであった。センスは光るものがあり、韓国サーバー1位を記録するなどFakerの後継者として育成をしていたSKTであったが、環境が合わず脱退。その後EDGが獲得して2014Worlds優勝mid lanerであるPawNをサブに追いやるほどの成長を見せた。AzirやViktor、KarmaやVladmirなどユーティリティに優れたchampionを好む傾向があるが、Summer SplitではZedやLeBlancなども披露している。

 

・ahq e-sports Club(LMS 2nd Seed,LMS 2016 Regional QualifiersWinner)

ahqは台湾地域でFWと覇権を争うチームだ。昨年は春夏を連覇し世界大会に進んだが振るわなかった。今年はFWに春夏を連覇される屈辱の展開にはなったものの、Worldsへの切符を手にすることは叶った。FWはKarsaやSwordArtといった攻撃的なJungleやSupportがマッチしている環境で非常に強く今年は後塵を拝す形にはなったが、安定感は非常に高いチームだ。特に昨年のSpring以来Rosterに変更がないところもよい点だろう。とはいえ今年はmidに関してWestdoorとChawyの二頭体制を取っているため、このあたりが上手くかみ合いさえすれば、昨年以上の成果を期待できるだろう。

 

Roster

Top:Ziv Jungle:Mountain Mid:Westdoor/Chawy ADC:An Support:Albis

 

注目選手

Mid Liu "Westdoor" Shu-Wei

FWのMapleと並び台湾地域最高のmid lanerと称される選手。長らく台湾シーンを席巻し続けており、SoloQではNA,韓国,台湾の3サーバーでラダーランキング1位を記録したこともある非常にメカニクスに優れた選手。昨年のWorldsでも最も得意なchampionであるFizzでFakerをソロキルするなどのシーンが見られた。

しかし今年に入って以降のメタからはAssasinがほとんど見られなくなってしまったため調子を落としている。果敢に今まであまり触ってこなかったchampionに挑戦しているが、その成果を発揮することはできるのだろうか。

 

Mid Wong "Chawy" Xing-Lei

ahqが誇るもう一人の台湾地域最高クラスのmid laner。前述のWestdoorやMapleが活躍する以前からの大ベテランであり、かつてはSingapore Sentinelsというチームのエースだった。しかし更なる飛躍を求めて移籍したSeason2のWCS優勝チームTPAでポジション争いに負けてサブに回ることとなった。さらに過去のELOブースト(金銭などの対価を得て依頼者のアカウントのレートを上げること)が発覚し競技シーンへの出場停止処分となった。失意のままにTPAを去ったChawyはサブに退く意向を示していたWestdoorの後釜としてahqに迎えられた。不運な強者と揶揄される彼の初のWorldsはWestdoorのサブという形ではあるが、彼が世界に自分の力を示すときがついにやってきた。

 

・H2K Gaming(EU LCS 2nd Seed,EU LCS 2016 Championship Point Runner)

無冠の強豪などと呼ばれることもあるH2KはEUシーンでは常に誰かの一歩後ろを歩き続けている。2015年春にLCSに昇格して以来彼らは2~4位の間からはずれたことがない。王者はFnatic、Origen、G2というように移り変わっても彼らは常にEUの二番手として君臨し続けている。昨年は不運にもSKT、EDGと同じグループに入ってしまったが今年はRyuの宿敵たるSKTはいない。EDGやahqといった各地域の強豪揃いではあるが、彼らが永遠の二番手でないことを証明することはできるのだろうか。

 

Roster

Top:Odoamne Jungle:Jankos Mid:Ryu ADC:FORG1VEN Support:VandeR

 

注目選手

Mid Ryu "Ryu" Sang-ook

www.youtube.com

世界で最も有名な動画のやられ役というプロプレイヤーとしては最上級の屈辱を今も背負い続けているRyuはそれでも韓国出身選手として、EUを代表するmid lanerの一人だ。この動画の試合ではFakerにZedの1v1を仕掛け逆に殺されてしまい、2-0の状態から敗北しWorlds出場を逃すLoL史上稀にみる大逆転劇の決定的なシーンであった(その結果SKTはWCSに出場しSeason3優勝を果たす)。彼は昨年のグループステージでFakerにリベンジする機会を与えられたが、果たすことは叶わなかった。今年はグループステージを抜け、ノックアウトステージの舞台でFakerをキルして見せるRyuが見れることを期待したい。

 

ADC Konstantinos "FORG1VEN Tzortziou

EU最高のADCとも言われる名手。FnaticのRekklesやG2のZvenのようにこれまで表舞台で派手な活躍をしてこなかった彼がついに世界の舞台に立つ。トリガーハッピー的な危なっかし気なプレイスタイルが持ち味のNAやEUのスタイル(Doubleliftのような!)とは全く真逆の、韓国的な常に最後方で確実にダメージを出し続けるようなプレイを得意とする。そのためCaitlynやEzrealなどを好んで使用するが、VayneやLucianなどのアグレッシブなADCもそつなくこなす技巧派。彼の腕は世界の名だたるADCに対してどれだけ通用するのだろうか。

 

・INTZ e-sports(2016 International Wildcard Qualifiers Winners,CBLoL 2016 2nd stage champion)

ワイルドカード地域の強豪ブラジルからは三年連続でWolrdsへ進んでいるが、今回切符を手にしたのは古豪INTZだ。昨年は惜しくもpaiN Gamingに敗れ国内優勝を逃したが、今回は優勝しそのままIWCQを勝ち上がった。すでにブラジルのリーグCBLoLの水準はLCSとほとんど変わらないと言われるほど成長を遂げており、Season4のKaBuM!の勝利や昨年のpaiNの2勝などから見て取れるようにまだまだ成長過程だ。ワイルドカード地域全体のレベルが上がることにも繋がるので、ひとまず彼らのWCSでの活躍には日本のLoLファンも期待がかかることだろう。

 

Roster

Top:Yang Jungle:Revolta Mid:Tockers ADC:micaO SUpport:Jockster

 

注目選手

Jungle Gabriel "Revolta" Henu

ブラジル最高のJunglerであり、世界的に見ても非常に高いレベルのプレイヤーだと特に絶賛されるブラジルLoL界の至宝。Keyd Starsからキャリアをスタートさせ、チームのCBLoL制覇に大きく貢献した。しかしその後ライバルであるINTZに移籍しファンからは大変なバッシングを受けた。その後再びKeydに戻るもさらに昨年夏からINTZに戻ってきた。INTZの勝利パターンは必ず彼から始まっており、彼の仕上がり具合がこのWCSでのINTZの躍進を左右しているといっていい。

 

ADC Micael "micaO" Rodrigues

paiNのbrTTと並んでブラジル地域最高のADCに数えられる選手。長きに渡りINTZを支えているが、それ以前にもプロとしてのキャリアがあるベテランでもある。彼の特徴はメタに合わせて柔軟にpickを変化させていくことができる点であり、今春はLucianなどを多く使っていたが、夏以降はAsheやSivirが登場するなどのデータにもみられる。ただ本人はロングレンジの安定的なADCが好みなようなので、現在のメタは比較的彼に追い風となっている。

 

 

 

グループCでした。相変わらず長いですね。Dは一応明日の予定です。